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終了間際に勝ち越し点を挙げたルッカ(背中)に抱きつくエリーアス(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

コリンチャンス=降格圏の相手に薄氷の勝利=翌日2位が勝って優勝はお預け

 前節、2位アトレチコ・ミネイロとの直接対決を制し、勝ち点差を大幅に拡げたコリンチャンスは、残り5節での逆転はほぼ不可能な状況にあるが、数字の上ではまだ優勝を決定付けてはいない。そんな状態で降格圏に沈むコリチーバを7日にホーム、アレーナ・コリンチャンスに迎えた。
 前半早々に右サイドバックのエジウソンが倒されて得たPKをチーム得点王のジャジソンが落ち着いて決めると、大量得点の勝利の予感も漂ったが、肝心なところでミスが出て、追加点を奪えない。
 アトレチコ戦に勝って以降の「キャプテンは日替わりで務めているけれど、優勝トロフィーを掲げるのは誰?」「7日に勝っても、8日のアトレチコ・ミネイロの負けか引き分け待ちでの優勝は味気ない」「早めに優勝決めたらレギュラー陣は早めに休みに入りたいと言っている」などと散々報道されては、いくら「まだ決まっていない。気を緩めずに戦う」と言っても、万全のメンタルコンディションではなかったのだろう。
 リーグ戦終盤では降格圏のチームの方が、中途半端な位置にいるチームよりずっと怖いのはサッカーの法則で、後半早々に同点ゴールを浴びてしまった。
 その後もコリンチャンスは果敢に攻めるも、勝ち越し点が奪えない。前節、強敵にビューティフルゴールの3連発で勝ったことが災いしたのか、焦って攻めて、逆にピンチも招いていた。交代策も機能せず、組織的な動きもなくなっていった。
 「よくて引き分け、下手すれば負け」と思われた後半43分、チームを救ったのは交代で入った2人だった。右からのセンタリングが入ると、ダニーロが絶妙に角度を少しだけ変え、ボールを後ろに逸らせるヘッド。それに今日はミスの目立ったルッカが猛然と走りこみ、ほとんど身体ごと押し込んだ。
 劇的な勝利で優勝に王手がかかって大興奮のコリンチアーノたちは、スタジアム外でも地下鉄でも「エ! カンピオーン(優勝だ!)」の叫び声をあげていた。
 翌8日はアトレチコの負けか引き分けで優勝が決まるため、多くのファンはTVの前でアトレチコの対戦相手、フィゲイレンセに声援を送ったが、引き分け終了間近の後半45分にアトレチコが均衡を破る勝ち越し点を奪ったため、優勝は11日後の19日、対ヴァスコ・ダ・ガマ戦まで持ち越された。  (規)