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泥に埋まったマリアナ市の様子(Antonio Cruz/Agencia Brasil)
泥に埋まったマリアナ市の様子(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

MG州=鉱山廃水流出から4日=依然続く必死の捜索活動=不明者生存の望み薄れる=救出終了を待ち原因捜査へ

 【既報関連】5日午後3時半頃、ミナス・ジェライス(MG)州マリアナ市にあるサマルコ社(S社)鉱山の廃水堤防〃フンドン〃が決壊し、〃サンタレン〃の決壊も招いたことで、周辺集落が泥水で埋まった災害は、96時間以上経過しても、被害規模の全容は未だ闇の中と7~9日付伯字各紙が報じている。

 MG州政府は8日夜、この事故による死者は1人で、事故との関係を調査中の死者2人、行方不明者26人と発表した。行方不明者の生存の可能性は低いと見ている。行方不明者は当初28人とされていたが、その内の2人は、8日に避難先のホテルにいる事が確認された。
 同州検察は捜索活動の終了を待ち、州政府にダムの堤防検査方法の変更などを要求する意向だ。
 同州消防隊司令官のルイス・エンリケ・グアルベルト大佐によると、マリアナ市から100キロ離れたリオ・ドセ市で7日と8日に発見された遺体は、今回の事故に直接関係があるか不明で、現在も調査中だ。
 マリアナ市に隣接するオウロ・プレット市のロドリゴ・ブスタマンテ市警警部によると、2人の遺体からは身元確認のための毛髪や指紋などが採取され、不明26人の家族のものと照合される。
 9日朝までに犠牲者として確認されたのは、S社職員のクラウジオ・フィウザさん(40)と、トラック運転手のシレノ・ナルキエヴィシウス・デ・リマさん(47)だけだ。行方不明の26人の中には5人の子供も含まれている。
 捜索活動は7機のヘリと13の捜索隊により、一番被害の大きかったベント・ロドリゲス地区中心に行われている。8日朝、被害現場を上空視察したフェルナンド・ピメンテル同州知事は、「救出活動が最優先」としつつ、「時間の経過と共に生存者発見の望みは薄くなっている」、特にダム決壊現場近くで勤務していた13人のS社職員の生存は非常に困難との見解を表明した。
 元同州知事のアエシオ・ネーヴェス上議も8日に現地を訪れ、「政治の役割は要求する事だ。例えば、S社に対しては、被害者の家族の生活の面倒を見るように要求する事だ」と語った。
 ピメンテル知事は堤防決壊の理由は不明だとしながらも、決壊の時に下流に知らせる警報の設備がなかった事を認め、防災システムの確立は検討課題の一つだとした。
 MG州検察局は捜索活動が終了した後、堤防の強度の検査は鉱山会社ではなく、第三者機関が担当する事や、鉱山廃水の処理計画などの環境許可の基準変更などを求める意向だ。州検察局はS社が鉱山廃水のダムを集落の近くに造った事も問題視し、操業停止を求める可能性も示唆している。