【既報関連】5日午後にミナス州(MG)マリアナ市で発生したサマルコ社(S社)の鉱山廃水堤防の決壊事故は、発生から5日経った10日も被害の全容は判明せず、2次災害も広がっていると10日付伯字各紙が報じた。
MG州政府は今回の事故を、同州の歴史上最大の環境災害と定義した。
同州環境局は、堤防決壊が引き起こしたマリアナ市及び周辺地域からドセ川下流域に至るまでの甚大な被害を重視し、6日に州が定めた安全基準履行までS社の操業許可の停止を決めた。
採掘禁止期間中、S社は被害の影響を最小限に抑え、さらなる損傷を防ぐための緊急措置だけを行うことができる。
5日の廃水堤防決壊後にあふれ出た泥水は、ベント・ロドリゲス地区を破壊し、周辺地区にも多大な被害を及ぼした。10日夜までの公式発表の死者は、同日確認された5歳の女児1人を含む4人となった。同日は女性1人の生存も確認され、S社作業員と地域住民合わせた行方不明者は22人となった。
8日にMG州検察はS社に対し、被災世帯の居住地確保に関する計画書の提出と登録済みの世帯に1最賃を支払う事を勧告した。勧告の期限は5日で、S社がこれを果たさなければ、検察は法的手続きに入る意向だ。
堤防決壊で流れ出た鉱山廃水と汚泥6200万立方メートルはドセ川に流れ込み、500キロ以上離れた下流のエスピリト・サント州(ES)にも被害を及ぼし始めた。
ES州政府は同川からの飲用水取水を停止し、川沿いにあるバイショ・グアンドゥ市(BG)、コラチーナ市(CO)、リニャーレス(LI)市のためにミネラルウォーターの寄付を呼びかけている。BG市、CO市の学校は閉鎖され、再開の目処も立っていない。
事故発生現場から500キロ離れたMG州のアイモレ市の貯水ダムに鉱山廃水が流れ込んだのは9日で、同州とES州の境にあるBG市で取水が中止された。同市には2万5千人が住んでいる。
流れ出た廃水は10日にはさらに下流、人口11万人余のCO市と14万人のLI市にも流れ着き、両市での取水も中止された。
川の上流、MG州のゴヴェルナドール・バラダレス市(人口28万人)も8日から無期限で断水となり、病院、養老院、学校を優先し、給水車を使って給水している。
ES州環境水資源研究所はS社に対し、環境面、経済面で引き起こした損害の補償を命じた。
S社にはまた、被害に遭った都市に緊急に水を供給する事、ドセ川と同河川の流れ込む海の水質検査をする事も義務付けられた。