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財相降ろしの動き加速か=早くも後任候補取りざた=メイレレス氏オファーを否定=株価や為替は好意的に反応

 ルーラ前大統領が、ジョアキン・レヴィ財相を降ろして後任にと推しているエンリケ・メイレレス元中銀総裁は、11日に参加したブラジリアでの全国工業連合主催の全国産業会議で、記者団に対し、条件が整えば引き受ける覚悟はあると述べたと12日付伯字紙が報じた。

 同会議の中で現財相が最前列で見守る中、メイレレス氏は「経済動向を示す数値をみるに、現在の厳しい状態から目をそらすことは出来ない」と語った。
 ルーラ氏とその政策チームは、ジウマ大統領は、経済情勢がこれ以上悪くなった場合にのみ、財相交代を受け入れるだろうと見ている。
 投資家達は、メイレレス氏の方が財政調整を進めるのに必要な政治的交渉力があると評価しており、財相交代の噂で米ドル相場は一時、1ドル=3・70レアルまで値下がりした。
 その後はジウマ大統領が抵抗を示しているとの噂で持ち直し、最終的には0・32%下げた1ドル=3・7669レアルで取引を終えた。株価もポジティブに反応し、11日のサンパウロ証券取引所指数は、前日比1・86%上昇の4万7065・01ポイントで終了した。
 メイレレス氏に近い筋からの情報によれば、同氏は就任の条件として、ジウマ大統領が経済政策に介入せず、企画相や中銀総裁の人選を含む、全ての権限と責任を財相が担うことを保障することを求めているという。
 メイレレス氏は経済政策に関して、ジウマ大統領と見解の相違があることは認めたが、大統領との不仲説は否定した。また、現段階では具体的な就任オファーも事前調査も入っていないことも再三強調した。
 前大統領からの財相交代圧力は一時的に弱まっていたが、財政調整の不調や、財務省傘下の税務管理審議会が息子や元閣僚らの不正疑惑を指摘した事などで再燃し、6日のルーラ、ジウマ会談後に新たな噂が広まり始めた。この前日、SBT局のインタビューでルーラ前大統領は、18年の大統領選再出馬の意向を示している。
 前大統領は6日、ジウマ大統領にも、次期大統領選出馬と、そのためには現政権が来年2月までに経済面でポジティブなサインを発信する事が条件との意向を示した。
 フォーリャ紙によると、現中銀総裁アレシャンドレ・トンビニ氏を次の財相にと考えていたジウマ大統領も、他に打つ手がないようだ。
 ただ、メイレレスが就任の条件としている〃白紙委任〃とバルボーザ企画相の処遇こそが、ジウマ大統領を同氏招聘に躊躇させている原因であるため、同氏を推すルーラ前大統領には明確な返事をしていない。

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