ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | Sabesp=ビリングスから規定超の放水=水量豊富だが水質に問題=グアラピランガの配給拡大も
ビリングス湖(Hamilton B. Furtado)
ビリングス湖(Hamilton B. Furtado)

Sabesp=ビリングスから規定超の放水=水量豊富だが水質に問題=グアラピランガの配給拡大も

 サンパウロ水道公社(Sabesp)が、水質汚濁疑惑のあるビリングス湖から規定以上の水をグアラピランガ湖に流していると12日付フォーリャ紙が報じている。
 2014年から表面化したサンパウロ州の水危機解消案として、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事はかねてから、低水位にあえぐカンタレイラ水系以上の貯水量を誇る、サンパウロ市南部のビリングス湖からの取水増加を求めていた。
 だが、ビリングス湖は水質汚濁が問題視されており、昨年も、水質浄化に多額の費用が必要となるということで、リオ・グランデ水系への放水計画を断念していた。
 だが、フォーリャ紙の報道によると、Sabespは現在、ビリングス湖から、州電力水資源課(Daee)が定めた基準の毎秒2190リットルを約40%上回る3850リットルを、同じく南部に位置するグアラピランガ湖に放水しているという。
 グアラピランガ湖の12日午前9時現在の貯水率は86・1%。元々はサンパウロ市南部の一部に水を供給していたが、カンタレイラ水系の降雨量不足が深刻化した昨年以降、カンタレイラ水系から給水していた地域にも他水系から給水する方針がとられたことで、現在は西部や中央部にも水の供給を行っている。新たに加わった給水地区は南部のヴィラ・マリアナやブルックリン、ジャバクアラ、西部のピニェイロスやヴィラ・オリンピアなどで、現時点も貯水率17・3%(未開の水域からの取水までの水準ではマイナス12・0%)のカンタレイラ水系の負担を減らしている。
 Sabespは今年の7月、Daeeと「一定の条件下ではビリングス湖から最大毎秒5千リットルの取水を認める」との規定見直しを行っており、グアラピランガ湖へへの放水量はそれ以下だと主張している。だが、同規定の年間平均取水量は毎秒2190リットルで、雨量の多い月に多めに取水し、少ない月は量を減らすという条件は守られていない。
 また、11日付G1サイトによれば、サンパウロ州政府と市、社会団体が共同でまとめた「有事の計画」という名の水問題対策の計画書では、緊急時の給水制限の可能性についても触れているという。