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ブラジルGP=年間王者ハミルトンの夢は?=憧れのセナの地で優勝目指す

 15日、毎年恒例のF1のブラジルGPが、サンパウロ市南部のインテルラゴス・サーキットで行われるが、注目はやはり、早々と今年の年間王者を決めているルイス・ハミルトン(イギリス・メルセデス所属)に集まっている。
 10月26日に行われたアメリカGPで、残り2戦を残して2年連続3回目の年間王者に輝いたハミルトン。既に勝敗は自身のランキングに影響せず、悪い言い方をしてしまえば「消化試合」にもなりうる今回のブラジルGPだ。
 しかし、それにもかかわらず、今回のハミルトンからは勝利への意欲が早々と伝わっている。ハミルトンは12日、自身のインスタグラムで、GP当日にかぶる予定の、黄色地に緑のラインが2本入ったヘルメットの写真を披露した。それは明らかに「音速の貴公子」こと、ブラジルの伝説的レーサー、アイルトン・セナを意識したもので、頭頂部にあたる部分には「SENNA」の文字とSを象ったマークが描かれている。
 ハミルトンはその写真のコメントに「ブラジルのみんな、君たちだけにこれを捧げるよ」と書き、これがこのGP用の特別なものであることを示した。
 ハミルトンにとってのセナは「永遠に変わることのない憧れの的」で、そのことは本人も何度も公言してきた。それが故に、ハミルトンとしては、セナが自身のキャリアの土台を築いたサーキットで勝つのはひとつの大きな目標なのだが、意外なことに、ハミルトンは9年にわたるF1のキャリアの中で、インテルラゴスで勝利の祝杯を挙げた経験が一度もないのだ。
 これまでハミルトンは8度、インテルラゴスで走っているが、ここは彼にとって相性が良くないのか、成績はいまひとつふるわない。07~13年には表彰台の経験さえなく、11、12年に至ってはリタイアの憂き目にもあっている。絶好調で年間王者に輝いた昨年は初めて表彰台に立ったが、メルセデスの同僚、ニコ・ロスベルグ(ドイツ)に優勝をさらわれ、2位に終わった。
 そんなハミルトンも、直前までの状況は決して良いとは言えない。7日に開かれた母親の誕生祝いで羽目を外したのか、8日には風邪をひき、9日にはモナコで自動車が大破するほどの交通事故も起こしている。事故に関し、本人自身は「体に問題は一切ない」と語っているが、その詳細は誰も語ろうとしていない。
 今回のレースは、そのハミルトンが彼岸の優勝(今季11勝目)を果たすかいなかがまず注目だが、ブラジル国民的にはブラジル人レーサー、フェリペ・マッサ(今季現在6位・ウィリアムス)やフェリペ・ナスル(同13位・ザウバー)の活躍も期待される。(13日付エスタード紙より)