ペトロブラス社(PB)が12日、今年の第3四半期(3Q)決算で38億レアルの赤字を計上したと発表した。赤字額は昨年同期比で30%増えている。ドル高レアル安の影響を受け、今年9月末時点の同社の累積赤字額は昨年同期より910億レアル増の5066億レアルに達したと、13日付伯字各紙が報じた。
12日に発表された3Qの報告結果は、ここ数カ月間のドル高レアル安と原油価格下落の影響を受けたものだ。またPB社は設備投資費の引き下げも、併せて発表した。年初は280億ドルだった投資予定額は、10月はじめに250億ドルに減額されたが、今回はさらに、230億ドルまで削られた。
アウデミル・ベンジーニ総裁に代わって共同記者会見に出席したイヴァン・モンテイロ財務担当理事は、「財務状況をすぐに改善するような魔法はない。ただし、全社挙げてPBを構造的に改善している。それは短期的には出来ない。今までの努力の結果に満足しているが、引き続き状況を注視していく」と語った。
石油や原油などを販売して得た額は822億レアルで、14年3Qと比べて7%減少した。9月30日に行ったガソリン6%、ディーゼル油4%の精油価格値上げは、3Q最終日に発効したため、同期間の収支には影響していない。
この3Qの間のレアル急落により、PB社の債務は、14年末比44%増の5066億レアルになった。
PBの債務は大半が国外通貨建てのため、ドル高が進めば負債も膨れ上がる。同社は世界一の債務が多い石油会社で、債務の拡大は市場関係者最大の心配の種となっている。PBが投資を抑えているのは、運用資金を増やし、負債を軽減するためでもある。
信用格付引き下げで融資獲得が困難になったPBだが、モンテイロ財務担当理事は、より長い返済期間の融資獲得や株式売却などの方法で債務整理を試みている。同理事によれば「現在は250億ドルの融資の申し出が来ている」という。PBは今年、15年分110億ドルと16年分30億ドルの計140億ドルの融資を獲得しており、今年中に16年の必要額を調達できる可能性もあるという。
PBは債務整理のために16年に必要となる金額を株式の売却によって軽減する意向で、子会社ガスペトロの売却も今年中に遂行する予定だ。
来年の株式売却目標額は144億ドルで、ガスペトロ以外の株式売却のため、PB幹部は16日より世界を回る予定だ。PBが売却を考えているのは、BRディストリブイドーラの一部、ガス輸送網、火力発電所、油田の一部で、既に「強い引き合いがある」という。