ホーム | 特集 | 秋篠宮同妃両殿下ご来伯特集第2弾 | ブラジリア=日系人とくつろいでご歓談=大使公邸に6州から200人
本会議場でブラジル国歌斉唱の様子
本会議場でブラジル国歌斉唱の様子

ブラジリア=日系人とくつろいでご歓談=大使公邸に6州から200人

 秋篠宮同妃両殿下は5日午前、首都ブラジリアの連邦議会で日伯外交樹立120周年記念式典に参加された後、午後4時ごろから日本国大使公邸で日系社会の歓迎式典に参加され、遠路セアラ―州フォルタレーザ、バイア州など6州から集まった在留邦人や日系人約200人と懇談された。

連邦議会でエドゥアルド・クーニャ下院議長の出迎えを受けた両殿下

連邦議会でエドゥアルド・クーニャ下院議長の出迎えを受けた両殿下


 歓迎式典では老人クラブの高橋実会長(91、北海道)が代表して「両殿下とお会いできることはまたとない喜び」と挨拶し、「3人のお子様を健やかにお育てになり、眞子さま、佳子さまが皇族としての活動も始められたことを心からお喜び申し上げたい」とのべた。
 秋篠宮殿下は「通商修好条約の締結日にブラジルを訪れたことに感慨深いものがあります」と語られ、「日系人が高い評価を築かれたことに敬意を表します」と挨拶された。
 続いて両殿下は、6、7人ずつのグループに分かれた200人全員と順々にご懇談された。午前中の連邦議会では緊張気味のご様子だったが、最初の老人会メンバーらとの懇談の頃には「会員は何歳からですか」などくだけた表情となり、1時間に渡って立ったまま200人とご歓談された。
 ブラジル中西部日伯協会連合会の安永邦義元会長(59、三世)は「殿下は『どんな活動をされているのですか』とお聞きになられたので、日本祭りや太鼓などで日本文化普及に力を入れていますと答えました。とても親しみの湧く受け答えをして頂き、ありがたく思いました」とほほ笑んだ。
 車椅子で出席した堀川正己さん(72、二世)は殿下から「どうしてお父さんはブラジルに移住されたのですか」との質問を受けたといい、「1920年に福岡県八女から来た経緯を説明しました。父は5年働いてお金をもって日本に帰るつもりで来ましたが、結局ここで暮らすことになりました。私はブラジル銀行の社長補佐までさせてもらい、ここで生まれて幸せでしたとご説明しました」とのべた。
 レシフェ日本文化協会の伊与田明会長(68、大阪府)は、殿下から「この為にレシフェから来られたのですか。何キロあるのですか」と尋ねられ、「もちろんです。2千キロあります」と答えたという。殿下は「北海道から東京まで直線距離で1千キロだから、その往復分ですね」などと計算されていたという。
 元会長の坂口章司さん(82、東京)は、同協会の活動内容として会員135人のうち一世は45人などと説明すると、殿下から「日本語教育をがんばってください」と励まされたという。坂口さんは「とても気を配って話をされている感じでした」と感心していた。
 バイア日伯文化協会連合会の多原敏弘会長(68、二世)は、殿下から「どこから」と尋ねられ、「バイアです」と答えると「大変でしたね」と労をねぎらわれたという。「ノルデスチ(北東伯)で一番大きな日本祭りを開催しており、日本語学校には非日系ばかり90人いると説明しました」という。
 すると妃殿下が「日本文化に興味を持つ人がたくさんいるんですか」と質問され、サルバドール日本人会の水島富士男会長(61、二世)は「バイアに日系人は少ないが、バイアの人たちは日本文化が大好き。日本祭りには3、4万人が訪れますと話すと、驚かれた様子だった」と嬉しそうに語った。