13日にパリで起きた同時多発テロは120数人の犠牲者を出し、全世界に波紋を投げかけたが、ブラジルでも週末にかけて、市をあげての哀悼イベントが相次いだ。
それをもっとも早く行なったのはリオデジャネイロ市だ。同市ではテロの起きた13日の夜に早速、リオの名所であるマラカナン・スタジアムやコルコバードのキリスト像に、フランス国旗の色である青、白、赤のトリコロール(3色)の照明をあて、哀悼の意を示した。
これに対し、パリのアンヌ・イダルゴ市長はツイッターで、リオの哀悼表現に感謝の気持ちを述べた。このコメントはリオのエドゥアルド・パエス市長のツイッ ターにもしっかりと受け止められた。パエス市長は「今回のテロはパリだけでなく、あらゆる人間や文明に向けたものだ」と述べている。
15日に は、サンパウロでも哀悼イベントが行われた。日中には同市最大の繁華街、パウリスタ大通りに多くの人が集まり、フランス国旗を持って行進を行った。同大通 りは、サンパウロきっての抗議集会の場所として知られているが、今回はこの大通り沿いにフランスの領事館があることから、多くの人が領事館前に集まり、パ リへの連帯の気持ちを示した。
また、夜になると、リオに負けじと市内の有名スポットにトリコロールの照明が当てられ、市内中央部にある御茶ノ水橋や、南部のイビラプエラ公園の有名な石像「バンデイランテス」が青と白と赤に染まった。
このほかにも、ブラジリアやマナウスなどでも哀悼のイベントが行われた。
哀悼表現は市の主導ではない大型イベントでも行われた。14日にモルンビ・スタジアムで行われたアメリカのロックバンド、パール・ジャムの公演では、 ヴォーカリストのエディ・ヴェダーが、観客にわかるようにポルトガル語で書いた「私たちの愛はパリにいる全ての人に向けられている」とメモを読み上げ、観 客の大喝采を浴びた。
また、15日にインテルラゴス・サーキットで行われたF1のブラジルGPでも黙祷が捧げられた。(14日付G1サイト、15日付フォトス・プブリカスなどより)