化粧品業界大手のAvonが第3四半期に6億6900万ドルの赤字を計上し、4日の株価は20%も下落して3・44ドルとなった。
同社の株価は今年に入って60%以上下落しているが、昨年の3Qは9200万ドルの黒字を計上していた同社が、今年は22%減益となり、赤字に転じた。こ の原因のひとつは、ドル高レアル安などもあり、ブラジル(以下、ブラジル)の売上が昨年同期比42%も減少した事だ。Avonの収益の80%は北米以外の地域 から来ており、同社にとってここ数年は世界最大の市場となっていたブラジルのドル貨での売上低下の影響は大きい。
だが、同社では、化粧品類への工業製品税(IPI)引き上げやドル高レアル安がなければ、ブラジルの売上は6%程度伸びていたはずという。ドルに対するレアルの価値は、今年に入ってから既に40%落ちている。
また、戸別訪問で顧客を増やすのが戦略のAvonにとり、ドル貨での売上が落ちて世界全体の売上減少も招いたとはいえ、販売員増強に成功したブラジルは今後の成長を見込める市場である事に変わりはない。
ブラジルでは販売員が増えて、今後への望みを繋ぐ中、世界全体での販売員の数は、米国の販売不振などで1%減っている。米国本社は、米国の販売員数を増やす事 と、経費削減を含む構造改革が必至と考えているが、その行程には今少し時間がかかりそうだ。(5日付エスタード紙より)