ジウマ大統領は15日からトルコのアンタルヤで行われているG20に参加しているが、13日にパリ市内で起きた同時多発テロ直後とあり、15日午前中に行われたBRICS首脳会議でもテロ防止を強く訴えた。16日付伯字紙などが報じている。
BRICS首脳会議はジウマ大統領、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、中国の習近平国家主席、南アフリカ共和国のズマ大統領が出席して行われた。
この席でジウマ大統領は、パリのテロに加え、10月31日にロシアの航空機がエジプトのシナイ半島で墜落して224人が死亡した事故にも触れ、犠牲者に追 悼の意を示した。そして、BRICS5カ国が「フランソワ・オランド仏大統領や同国民への連帯の気持ちを持っている」とも語り、テロに関して「撲滅のた め、絶え間なく戦う必要がある」と語った。
この日のBRICS会議では、本来、今回の最優先事項である世界の経済危機についても話し合われた。ジウマ大統領は同会議で、インフラへの投資や国際市場の脆弱性の克服、貧富の差の解消などをG20で優先的に上げるべきと主張した。
また、5カ国首脳が問題視したのが、国際通貨基金(IMF)に象徴される、国際的な金融機関の再編成だ。首脳たちは国際市場での金融の流れが旧態依然とし て先進国中心に流れていることを問題視し、その分配が新興国にも公平に流れるよう求めている。IMF再編は2010年から強く要求されていたが、近代化は 依然として遅れており、この問題はBRICSの中で最も大きな位置を占め続けている。
一方、G20の初日となった15日は、パリのテロで犠牲者になった人たちに対し、1分間の黙祷が捧げられた。
この席で米国のバラック・オバマ大統領はテロ解決のため、中東問題の火種となっているシリアでの和平や、同国の隣国でもある開催国トルコとの間の国境警備をさらに強化すると宣言した。
また、オバマ大統領はG20と並行してプーチン大統領と平和のための国際協力について話し合い、シリアの和平や、今回のパリのテロの首謀と見られている ISILの抑制などについて話したが、シリアのアサド政権に対する立ち位置やジハーディスト(聖戦主義者)と呼ばれるテロ戦士に対する対策についての意見 は異なっていた。
G20内では「今回のテロの件と移民問題を一緒にするべきではない」として、欧州で特にイスラム教徒の移民が制限され、差別が起こることを危惧したが、主に東欧圏の首脳から強い反対が出ていた。