ホーム | 特集 | 秋篠宮同妃両殿下ご来伯特集第2弾 | ブラジル訪問のご印象=帰国後すぐに発表される=「永く記憶に残るもの」=「日系社会のイベント大変心強い」

ブラジル訪問のご印象=帰国後すぐに発表される=「永く記憶に残るもの」=「日系社会のイベント大変心強い」

 外交関係樹立120周年を迎えたブラジルへの公式訪問をされた秋篠宮同妃両殿下は、10日に無事ご帰国された。翌11日には宮内庁を通じて、日系人や日系団体に対する感想を多く含む、次のようなご感想を文書で発表された。全文は以下の通り。
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 日本・ブラジル外交関係樹立120周年の機会に、ブラジル連邦共和国を訪問できましたことを誠に嬉しく思います。文仁にとっては初の海外公式訪問となった1988年の日本人ブラジル移住80周年の時以来27年ぶり、紀子は初めての訪問となりました。
 このたびの訪問においては、ルセーフ大統領閣下への表敬をはじめ、下院議長、外務大臣、連邦直轄区と5つの州知事との懇談、そしてサンパウロ、クリチーバ、ロンドリーナ、ロランジア、マリンガ、カンポ・グランデ、ベレン、ブラジリア、リオデジャネイロの各地において、日系社会の方々が私たちの訪伯にあわせて催してくださった120周年を記念する式典等に出席いたしました。多くの方々から、さまざまな配慮をいただいたことに深く感謝の意を表したく思います。
 多くの日系の方々と話をしていると、具体的に記すことは難しいのですが、私たちが日々の暮らしの中であまり意識していない「日本」を感じることがたびたびにありました。そして、遠く離れたこの地において、自分たち、もしくは両親・祖父母の世代の故郷の記憶が残り、継承されていることに改めて気づきました。
 また、日系の若い世代の人たちと話しをする機会をもつこともできました。日本とブラジルとの良好な関係が、今後も続き、さらに増進していく上で、次世代の人々が、両国の架け橋となってくれることが極めて大切なことだと思います。
 今回訪ねたのは、先に触れたブラジリアを始めとした各都市でしたが、そのどれもが大変印象深いものでした。酸性土壌で不毛地帯と言われたセラードを一大農業地帯へと改良していった日伯共同プロジェクト、ブラジルを代表するサンパウロ大学における各学部の教員や学生との懇談、環境先進都市で、パラナマツが独特の景観を醸し出しているパラナ州の州都クリチーバ、アマゾン河やその流域の人たちの暮らしがよく表れているベレンの市場、アマゾンの自然史・人文科学の研究拠点になっている博物館、そしてブラジルが誇る世界屈指の湿原であるパンタナールとそこに暮らす牧童たちの文化や貴重な生態系、市民の憩いの場であり植物研究の中心地になっているリオデジャネイロの植物園とポン・デ・アスーカルからの眺めなどなど。ひとつひとつを取り上げることはできませんが、おそらく、これからも永く私たちの記憶に残るものでありましょう。
 このたびの訪問において、日系社会が中心となって、日本の文化を紹介するイベントがおこなわれたり、両国の間で種々の協力がおこなわれたりしていることを知り、大変心強く思いました。日系団体が現地大使館や総領事館と協力して開催する日本祭りには、多くのブラジル人が参加し、また、日本の文化に関心を抱き、日本語、書道、華道、茶道などを学んでいることも印象に残りました。
 滞在中、各地において、多くの人たちに温かく迎えていただいたことは、大変有り難いことでした。そして、私たちの訪問に際し、心を寄せてくださった多くの方々に感謝の意を表します。今後、日本とブラジルとの友好関係がさらに促進されることを願っております。