ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | LJ=パサデナ製油所問題にメスへ=PB問題浮上のきっかけ=モーナコ氏らの証言を元に=動いた賄賂の総額は?
ペトロブラス元国際部長のセルヴェロー被告(Wilson Dias/Agência Brasil)
ペトロブラス元国際部長のセルヴェロー被告(Wilson Dias/Agência Brasil)

LJ=パサデナ製油所問題にメスへ=PB問題浮上のきっかけ=モーナコ氏らの証言を元に=動いた賄賂の総額は?

 16日に行われた第20次ラヴァ・ジャット作戦(LJ)は、ペトロブラス(PB)による米国パサデナ製油所の過払い買収に焦点が当てられるが、既に連邦警察への証言で、同製油所の買収に際し、巨額の贈収賄が行われていたことが語られている。17日付伯字紙が報じている。

 パサデナ製油所は06年にベルギーの企業アストラから半分買収したが、その後に残りも買い取る必要が生じ、最終的に市場価値の20倍もの金額をPBが費やしたことが疑問視されていた。同製油所の買収は、官房長官時代のジウマ大統領が議長を務めていたPB経営審議会も了承しており、14年3月に話題となっていた。
 パサデナ買収にまつわる疑惑が表面化したのはLJがはじまる前の話だ。14年3月にジウマ大統領が不完全だったと指摘した、買収契約に関する説明の文書を取りまとめたのが、LJの重要被告であるPB元国際部長のネストル・セルヴェロー、同元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ両被告だった。コスタ被告は当時、パサデナにある合同委員会にPB代表として参加していた。
 今回のLJは、そのさきがけとなった疑惑にメスを入れたものとなる。16日の捜査では2人が逮捕され、5人が警察署に連行されて調書をとられた。また、11カ所の家宅捜索も行われた。
 今回の捜査は2人の証言者の供述が元となっている。ひとりはセルヴェロー被告の元部下だったエンジニアのアゴスチルデ・モーナコ・デ・カルヴァーリョ氏、もうひとりは民主運動党(PMDB)のロビイストのフェルナンド・バイアーノ被告だ。
 この二人は同製油所の買収に関し、前者が150万、後者が400万米ドルの収賄を受けたことを認めている。また、セルヴェロー被告が250万、コスタ容疑者が150万米ドルを受け取ったほか、PB国際部の役員5人も収賄を受けていたという。同製油所に関して動いた賄賂額を、モーナコ氏は1億、バイアーノ被告は1500米ドルと語っている。
 また、モーナコ氏の証言によると、セルヴェロー被告は毎月40万レアルをPMDBミナス・ジェライス支部に払うよう強制されたが、それを払わなかったため部長の座を追われたという。
 同氏はさらに、同製油所買収前、セルヴェロー被告から「この契約は(当時の)ジョゼ・セルジオ・ガブリエリPB総裁の政治的な約束を尊重して行われるものだ」と聞いており、正式な契約が締結されないうちに、同総裁がノルデルト・オデブレヒト社を1日20万バレルの採掘を可能にする計画のために指名していたと語っている。