世界気象機関(英語ではWMO、ポ語ではOMM)が16日、ペルー沖の海水温が上昇するエルニーニョ現象に関する最新情報として、今年のエルニーニョは年末までに強まり、過去最大級になるとの見通しを示したと18日付G1サイトなどが報じた。
エルニーニョは世界各地で異常気象を引き起こしたりするが、今年の海水温は1月から上昇が始まり、ここ3カ月の平均で2度、10月の平均海水温は平年より2・7度高くなった。現在のエルニーニョは既に、1972/73年、1982/83年、1997/98年に匹敵する規模で、さらに強まる11月以降は、過去50年で最大となる可能性もある。
OMMは、地球温暖化が進み、海水温上昇が以前より頻繁になっているため、世界は従来以上にエルニーニョに対する準備ができているという。
だが、温暖化が次第に顕著になり、より強力なエルニーニョが発生する事で、2014年に史上最高を記録した世界の平均気温がさらに高まり、南極の氷や万年雪が解けたりとする傾向に拍車がかかる可能性は強い。
ブラジルも含む南米では、エルニーニョによる大雨や干ばつを懸念する声が強い。ブラジルに特定するなら、南伯や南東伯での雨や落雷は既に平年のレベルを超えている。
また、ここ数年、歴史的な干ばつといわれ続けている北東伯では、同地方随一の貯水池でもあるソブラジーニョ水力発電所のダム貯水量が、16日の時点で2・5%まで低下したと17日付アジェンシア・ブラジルが報じた。同ダム貯水量は2001年の5・46%が最低だったから、今年の干ばつがいかに厳しいかがよく分かる。貯水量減少は発電にも支障をきたしており、飲用水確保や果樹や野菜の灌漑などにも影響が出ている。また、北東伯などで多発している森林火災も干ばつと無縁ではない。
国立宇宙調査研究院の中で落雷の観察や警告を行っているELATによると、エルニーニョの影響で干ばつまたは雨量減少が起こるのはブラジリアより北の地域で、それより南の地域は平年より暴風雨や落雷が増え、気温も上がるという。
17日付フォーリャ紙では、大豆の作付け時期や収量に関し、南大河州などでは降水量が多過ぎて、中西伯などでは雨が少なくて問題が生じる可能性を指摘している。