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サマルコ=別の堤防決壊の恐れあり=国の基準の強度を下回る

 【既報関連】ミナス州マリアナ市で、鉱山の選鉱・精錬工程で出る鉱滓(こうさい)を水分と固形分に分離し、堆積させる鉱滓ダム決壊事故が起きてから2週間になるが、鉱山所有者のサマルコ社が17日、同鉱山内に残っている鉱滓ダムも決壊の恐れがある事を明らかにしたと18日付伯字紙などが報じている。
 サマルコ社によると、サンタレンとジェルマノの2堤防の強度は1・37と1・22で、国が定めた安全基準の1・5を下回っている。強度1・22という数字は、堤防の強度が鉱滓ダム内の堆積物などが流れ出そうとする力を22%だけ上回っている事を示す。
 5日の鉱滓ダム決壊は当初、フンドンとサンタレンの2堤防が決壊とされていたが、その後の調査で、フンドン決壊で流れ込んだ泥流がサンタレン内の汚泥なども押し流したが、堤防そのものは右側が傷んだだけで残っている事が判明した。
 同社は言及していないが、ジェルマノも3メートル程度の亀裂がある事が無人機の探索で判明しており、同社の担当者は「事故再発のための緊急措置を講じているが、二つの堤防決壊の可能性は否定できない」という。今回の事故では、6月に同社が依頼した会社による調査では問題が指摘されなかったフンドンが決壊し、惨事を招いた。
 オウロ・プレット連邦大学のエルナミ・リマ教授は「強度が低いのは確かだが、決壊の可能性は低い」と言うが、土木技師達は、現場周辺で17日に降ったような強い雨も堤防決壊の危険度を増すと警戒している。