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クーニャ議長への批判高まる

 スイスにある秘密口座の存在判明で立場悪化のエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)が19日、倫理委員会の最中に本会議を開催するなどの自己保身策を講じ、与野党議員から痛烈な批判を浴びた▼倫理委員会はPMDBと労働者党(PT)議員の遅刻などで開始が遅れ、議長罷免に関する報告官の意見書朗読も本会議開始で延期された。PTの委員は定足数が満たされてから現れたというから、口裏を合わせていた事は明白だ▼だが、こういった動きに納得できない下議約150人は本会議で議長に抗議し、一斉に退場。野党の女性下議が「クーニャ、その席から立て」と言い放った姿は、PMDBやPTの議員を動かし、自らの職権も乱用した保身策に対する下議達の怒りと、追い込まれた同議長の立場を象徴している▼同議長に関しては、PMDB幹部も一線を画し始め、完全孤立との声もあるが、それでも罷免手続きが進まないのは、大統領罷免問題の審議開始と財政調整などの法案審議を優先させたい連邦政府の意向が働いているからだ。同議長を刺激せず罷免回避との方針は、ルーラ前大統領がPTに呼びかけたものだ。前大統領は20日のPT青年部の集会でも、「選挙の話をする前に我々の仲間であるジウマ大統領を助けなければ」と呼びかけた▼ルーラ氏は現政権最大の課題である財政調整を担当するレヴィ財相更迭を望んでいるが、ジウマ氏は16年の経済好転を条件に留任を明言。前、現大統領の関心事は共に経済回復だが、経済指標と大統領支持率は連動するから、本心は自己保身や選挙かも。経済的、政治的危機の中、国民の忍耐はいつまでもつか。(み)