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黒人の意識高揚の日=黒人の配達人にバナナ配る=人種差別的行為の店員解雇

 リオデジャネイロ市で20日、レストランの店員が飲み物を届けた配達人3人にバナナを配り、「黒人の意識高揚の日」の記念と言ったとして、警察に逮捕された上、解雇されるという事件が起きた。
 事件が起きたのは、同市北部にあるレストラン〃ガロッタ・ダ・チジュッカ〃だ。
 店員に差別されたとして警察に通報したのはトラック運転手のレオナルド・ヴァレンチン氏ら3人だ。レオナルド氏によると、店員のアセンジノ・コレイア・レアル氏は各々にバナナを1本ずつ手渡すと「黒人の意識高揚の日」に敬意を払ったと説明し、「みんな同じ人種だから、1人に1本ずつだぞ」と言ったという。
 この行為に憤慨したレオナルド氏が警察に通報し、軍警がアセンジノ氏を逮捕した。
 市警によれば、アセンジノ氏は冗談だったと弁明したが、セルソ・グスターヴォ・カステロ・リベイロ氏は「悪気があった」と感じ、ウイリアム・ジアス・デルフィン氏も、店員は険悪な空気に気づいてごまかそうとしたが、店に入る時も笑っていたという。
 アセンジノ氏は保釈金800レアルを払い、その日のうちに自由の身となったが、レストランは24日、アセンジノ氏を解雇した事を明らかにした。同日発表された文書には、アセンジノ氏の行為は個人的なもので、店の責任はないとした上、謝罪の言葉が書かれていた。レオナルド氏は「解雇したとはいえ、店員の行為と店が無関係であるはずはない」として、苦言を呈した。
 レオナルド氏はアセンジノ氏の行為に立腹し、殴ってやろうかとも考えたが、そうすれば加害者が被害者になってしまうと考え、思いとどまったという。「サッカーの選手や芸術家への人種差別的な行為をTVで見た事はあったけど、自分達が差別的な行為の被害者になるとは考えてもみなかった」との言葉は、問題の根が思いの外広く、深い事も示唆している。(23、24日付G1サイトより)