【既報関連】ミナス州マリアナ市で5日に発生した鉱滓ダムの堤防決壊事故で流出した大量の堆積物(鉱滓)は周辺の町を経て河川に流れ込み、ドッセ川を通り、エスピリト・サント州(ES)の大西洋岸に達した。
鉱滓採掘を担っていたサマルコ社(S社)は、6年前の09年にダムの24時間の監視体制作りと近隣住民への警報装置設置を計画していたが、財政難により頓挫していたと25日付フォーリャ紙(F)が報じた。
S社が2次災害予防対策を怠った事が、結果的に8人の死亡者、11人の行方不明者、4人の身元不明遺体を出す大災害につながった。21日付F紙によると、S社がミナス州に提出した計画書にはダム決壊時に近隣住民に危険を知らせる仕組みはなかった。
上院は25日に同事件を調査するための議会調査委員会(CPI)を設置した。主な目的は同事件の責任の所在を明らかにすることと、S社のダム管理体制に不備がなかったかどうかを調べる事で、国内の他の鉱滓ダムについても調査の手が入る模様だ。
レナン・カリェイロス上院議長は24日、ローゼ・デ・フレイタス上議からのCPI設置請願書を読み上げた。CPIの設置には47人の上議が同意している。
CPIは11人の常任議員と、7人の予備議員で構成され、今後120日の期限を切って事件の捜査に当たる。またCPIは、他の鉱山でも同様の危険性があるかどうかの調査もする。
フレイタス上議は、ダムの強度や採掘手順の監査手続きの脆弱性を調査する必要があると考えている。
司法の側からもS社への追求は強まっている。ES州地裁は州検察局の要請に応じ、24日にS社に対し、72時間以内に今回の事件による損害をカバーするための保険証書を提出するように命じた。S社が証書を提示しなかった場合、1日100万レアルの罰金が科せられる。罰金や損失負担の合意分を含めたS社の支出額は、既に10億レアルを超えている。
ES州河口から大西洋に達した鉱滓は24日朝現在、半径9キロの予想を超え、南5キロ、東20キロ、北30キロの範囲に広がっている。