ラヴァ・ジャット作戦の妨害工作で25日に現行犯逮捕されたデウシジオ・アマラル上院議員(労働者党・PT)の処遇をめぐり、PT、連邦政府、議会が対応に追われていると27日付伯字紙が報じている。
デウシジオ氏の処遇をめぐり、PTは来週、全国支部の幹部たちを集めて会議を行う。日程はまだ決められていない。
だが、現時点でデウシジオ氏のPTからの除名は避けられない状況のようだ。同党党首のルイ・ファルコン氏は25日に出した声明で既に、「何を考慮しようが、党員として認めるわけにはいかない」と強い口調で除名の意向を示した。
この声明は同党のウンベルト・コスタ上院リーダーやジャック・ヴァギネル官房長官らの批判を受けた。だが、既にPT最大党派の「新しいブラジルを作る会」、第2党派の「メンサージェン」の支持を受けている。
これに関し、ルーラ大統領の正式なコメントは出ていないが、伯字紙報道によると、26日の中央労組との昼食会の席で「なんてバカなことを」と語ったと言われ、この影響が連邦政府に及ぶことを恐れているという。
一方、連邦政府も対応に必死だ。その理由のひとつは、デウシジオ氏が上院の連邦政府リーダーだったためだ。政府としては、あと3週間ほどで議会が閉廷となる前に、15年度の基礎的財政収支黒字目標額変更案を是が非でも承認に持ち込まなければならない。これが出来ないと、財政責任法違反に問われ、大統領罷免問題が再燃しかねない。そのタイミングで上院の調整役がいなくなったのは大きな痛手だ。現時点ではウェリントン・ファグンデス上議(共和党・PR)を後任にとの案が出ているが、決定は来週以降になる。
また、リカルド・ベルゾイーニ大統領府総務室長官は、今回のスキャンダルでPTへの不信感が募り、連立与党の諸政党が連立を解消したり、急を要する案件審議に影響が及んだりするのを阻止すべく奔走している。
他方、民主社会党(PSDB)は26日、レナン・カリェイロス上院議長に、12月1日の上院倫理委員会でデウシジオ氏の議員罷免問題を扱うよう要請した。PSDB上院リーダーのカシオ・クーニャ・リマ氏は「連邦検察庁からの告発を待つまでもなく、あの証拠で十分罷免材料になるはずだ」と語っている。
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