11月25日にラヴァ・ジャット作戦の捜査妨害容疑で逮捕されたデウシジオ・アマラル上院議員(労働者党・PT)の秘書宅から、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)に対して、BTGパクトゥアル銀行が4500万レアルの不審な支払を行ったことを示すメモが見つかり、事態はさらに悪化の様相を見せつつある。11月30日付伯字紙が報じている。
デウシジオ氏が逮捕された際、同氏の秘書のジオゴ・フェレイラ氏と、BTGの経営審議会議長で共同経営者のアンドレ・エステヴェス氏も逮捕された。それはエステヴェス氏が、デウシジオ氏逮捕の決め手となった会議の録音の中で、ペトロブラス元国際部長のネストル・セルヴェロー氏の口封じのため、同氏の弁護士や家族へBTGを通じて贈賄を画策していると口走ったためだ。
連邦警察はその後の捜査で、フェレイラ氏の自宅から、クーニャ氏にBTGが4500万レアルを支払ったとのメモと、それを裏付ける書類を見つけた。それによると、この金は、2013年に承認された連邦政府の暫定令(MP)608号に伴うものだ。同暫定令は銀行が新しい資本を獲得するためのオプションと納税基準を定めたもので、BTGは自分たちが取得した銀行の債務証券などの貸倒損失引当金から生じる差額請求分などで、納税面で有利になるよう働きかけていた。
押収されたメモにはPMDB下院リーダーだったクーニャ氏に金を払ったと書かれていた。交渉にはBTG役員のカルロス・フォンセカ氏やミウトン・リラ氏なる人物も絡んでおり、リラ氏は計画がうまく運び、クーニャ氏やエステヴェス氏と共に祝勝晩餐会を行ったとも記されている。
同MP審議の際、議員たちは「政府はBTGに便宜を図っている」と批判していた。BTGは同年、1997年に倒産した、かつて同銀行が筆頭株主をつとめていたバメリンドゥス銀行を4億1800万レアルで買収したが、その際に司法手続きを踏まなかった15億レアルの破産額があり、問題視されていた。
同MPの審議の際、クーニャ氏は二つの修正動議を出していた。ひとつはブラジル弁護士会(OAB)による貸付の内容の査定手続きを省くこと、もうひとつが倒産もしくは司法手続きを経ない破産額に便宜を図るという、明らかにBTGに有利なものだったが、当時、却下されていた。
連邦検察庁がこのメモを連邦最高裁に回した結果、テオーリ・ザヴァスキ判事はエステヴェス氏の拘束期間を延長した。
スイスの秘密口座所有とペトロブラスのアフリカでの事業で130万米ドルの収賄の証拠をつかまれ、議員罷免の危機にあるクーニャ氏にはさらに苦しい展開となった。
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