連邦政府が年内に107億レアルの歳出削減を目指し、11月30日より、公務員の出張旅費や宿泊費などの支払いを停止すると11月30日付エスタード紙が報じた。
公共サービスや設備投資も凍結され、新しい奨学金の支給も停止、環境問題など、各種分野での監視体制に予算を割くことも禁じられた。また、電気代や水道代、電話代の支払いも遅らせる。
度重なる予算変更で決めた赤字上限をさらに超えることを防ぐため、ネルソン・バルボーザ予算企画相は政策チームを招集し、新たな歳出削減案を検討した。
ジウマ大統領は11月30日からの議会を重視し、ベトナムと日本への外遊を11月27日に急遽キャンセルした。今回の支出削減は財政黒字目標の再々変更案が議会で承認されるまでの当面の措置で、12月1日に議会が承認すれば歳出削減額は小さなもので済む。
バルボーザ企画相は11月29日の会合で、11月30日から今週一杯にかけて取るべき措置の詳細を定めた。今回の措置では、ボルサ・ファミリアや職員給与、保健医療政策は〃不可侵〃と位置づけ、手をつけていない。州レベルでは財政危機から職員への給与遅配が頻出しているが、連邦政府はそれの二の舞は避けたいとしている。
財相、企画省、官房長官の経済関係閣僚は11月30日に各省庁の上級局長とも会い、財政状況の苦境を説明し、支出削減への理解を求める。
政府は11月30日にも、財政責任法(LRF)に抵触する事を防ぐため、15年度の最終予算計画を含む行政令を発表する意向だ。
政府がLRFを破らないで済む為には、現行の「GDPの1・1%」という黒字目標を改定する必要がある。連邦政府は10月に、それまでの黒字目標の改定を求め、議会に請願書を出していたが、高まる一方の政治的混乱により、議員たちは経済問題を脇に置いてしまった。
年頭の基礎的財政収支黒字目標額は663億レアルだったが、連邦会計検査院(TCU)が粉飾会計と定義し、違法性を指摘した分の一括返済が義務付けられた場合には1200億レアルの赤字となる見込みだ。