ルーツ探しにロマンを感じる――そんな心は誰にとっても共通のものなのかもしれない。人探しの依頼をきっかけにメールでやり取りをしている日本在住の男性と出会って、そう思った。
彼は二十歳の頃に大叔父がブラジル移住したことを聞き、若い心が踊らされ、手がかりが少ない消息を辿った。しかし次第に仕事が忙しく時間が取れなくなり、「年金がもらえる歳になったら」という思いを持ち続け、60代になった今、消息探しを再開し、本紙に辿りついた。
偶然に同郷ということと、自分も4代先の先祖のことは何も知らず、学生時代に辿ろうとした経験もあって、何か使命感が沸き、少し協力して重要人物と引き合わせそうなところまできている。
若い心を持ち続けた先輩の姿を見習い、いい出会いを期待しつつ、日本に帰ったらもう一度ルーツを辿ると決めた。(桃)