アルゼンチンの次期大統領マウリシオ・マクリ氏が4日朝、ブラジリアでジウマ大統領と会談の時を持ったと4日付各紙サイトが報じた。
12年続いた左派のキルチネル政権に終止符を打ち、ラ米に起きうる右派の新世代政権の代表とも言われるマクリ氏は、現職のブエノスアイレス市長で56歳。当選直後にジウマ大統領から招待されて来伯した。
今回は就任前のため、正式な首脳対談ではないが、マクリ氏は在伯亜国大使や次期官房長官、次期外相、次期外交特別顧問の4人を伴って会談に臨んだ。ブラジル側はジウマ大統領と外相、開発商工相、外交特別顧問、亜国駐在ブラジル大使、外務省南米部局事務次長の6人が出席した。
マクリ氏は会談後の記者会見で「ジウマ大統領とは罷免問題なども話し合ったが、ジウマ氏は極めて平静だった」と発言した。労働者党(PT)が対立候補だったダニエル・シオリ氏を支援した事へのしこりはなく、ブラジルが亜国外交の要との認識は変わっていない。
亜国はブラジルにとり南米最大の貿易相手国で、11年の公益額は390億ドルに達したが、亜国が設けた貿易障壁や両国の経済問題故に、14年は180億ドルに減った。また、南米南部共同市場(メルコスル)と欧州連合(EU)との自由貿易協定の前進のための準備が最も遅れているのが亜国のため、交易問題や作業促進に向けてブラジルが働きかけたり情報を提供したりした可能性は強い。
マクリ氏はベネズエラ国内で民主主義抑圧の動きが強まっているとして同国をメルコスルから除外するよう主張しているが、ジウマ大統領はパリで、ベ国除外には反対の立場を表明している。
マクリ氏はジウマ大統領との会談後、サンパウロ市でサンパウロ州工業連盟加入の企業家らとの昼食会を兼ねた会合に参加。その後はチリに向った。
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