ホーム | 日系社会ニュース | 日系2人目=岡村さん陸軍中将に昇進=リオ五輪安全責任者も拝命=成功なら日系初大将誕生も
リオ東部軍司令部で24日、五輪安全対策責任者の任命式に臨む岡村さん(提供写真)
リオ東部軍司令部で24日、五輪安全対策責任者の任命式に臨む岡村さん(提供写真)

日系2人目=岡村さん陸軍中将に昇進=リオ五輪安全責任者も拝命=成功なら日系初大将誕生も

 岡村アンジェロ陸軍少将(55、二世、漢字名「安次男」)の中将(General-de-Divisão)昇進が、先月25日付け官報で発表された。陸軍での日系中将誕生は、小松パウロ・カズノリさん(2006年、陸軍)に続き2人目。現役では岡村さんただ一人だ。前日24日には、16年リオ五輪の安全対策における特別総コーディネーター(責任者)にも任命された。

 16年8月に開幕するリオ五輪で安全対策責任者に任命されたことに関し、岡村さんは「私にとっても大きなチャンス。責任感を強く持って任務を全うします」と知人を通じて意気込みを語った。リオ市の東部軍司令部で任命式が行なわれた。
 パリ同時多発テロのあと、世界的規模のイベントにおける警備やテロ対策は国家的な課題になっており、ブラジリアの陸軍総司令部と連携しながら現地で陣頭指揮を取るという。
 テロ旋風が欧米や中東で吹き荒れる中、リオ五輪中は日本始め米国、豪州、カナダの4カ国にビザなし入国が適用されると先頃発表されたとき、警備を担当する陸軍はこれを批判。岡村中将にとってもさらに難しい任務になった。ビザなし入国者の期限である90日間が過ぎた不法滞在者の取締りなどで不備があれば、大将昇進への障害となり、最悪の場合退役にもなるとの危険性もあるという。逆に無事に任務を果たせば、最速で4年後に大将昇進の機会が訪れるとも。
 岡村さんは1960年1月1日、北パラナのサンセバスチャン・デ・アモレイラ市に生まれた。父は38年に渡伯した清巳さん(広島)、母は22年に渡伯した川上早苗さん(愛媛)。ロンドリーナ市に移り住みそこで小・中・高校時代を過ごした。
 82年、リオ州レゼンデの士官養成学校アグーリャス・ネグラス大学校通信科に入学し、87年にはリオ市陸軍体育学校体育科で学び教官に。97年には参謀・高級将校養成機関であるリオ市陸軍参謀本部司令官学校に入学。米国士官訓練学校での指導や、国連アンゴラ監視団員、2008年には駐スペインブラジル大使館付き武官を務めた。
 12年3月には少将に就任し、小原彰、小松パウロ2氏に続き、当時日系3人目の陸軍将官として南大河州ペロタスの第8装甲部隊司令官という責務を全うした。それら功績が認められ、日系2人目の中将昇進を果たした。


□関連コラム□大耳小耳

 岡村中将は、非日系の妻マリステラさんとの間に3人の子どもがいる。アレシャンドレ、アリーネ、アンドレさんで、長男アレシャンドレさんは父と同様、陸軍大尉として通信部に配属されているという。ちなみに中将は2月に来聖を予定。日系社会での祝賀会も調整されているそうだ。