エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)が2日にジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免請求を受理した後、最大野党の民主社会党(PSDB)の大統領候補経験者3人が、ジウマ氏罷免とミシェル・テメル副大統領(PMDB)の昇格政権支持で一致したと6日付エスタード紙が報じている。
テメル副大統領とジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は5日、サンパウロ市で開かれた政治家や企業家約30人との昼食会に参加した。その際、両氏は秘密裏に会合を行った。
テメル氏はクーニャ氏が罷免請求を受理する数時間前にも野党上議7人と昼食会を開き、ジウマ罷免後について話し合っている。一連の動きの中でPSDBは、テメル氏が18年選挙に出馬しないなら、ジウマ大統領が罷免された時に起こりうるテメル政権を支持することを認めたという。
PSDB内では当初、この件に関する見解が割れていた。以前、テメル政権を支持していたのはジョゼ・セーラ上議だけで、PSDB党首でもあるアエシオ・ネーヴェス上議は、14年選挙でのジウマ陣営の選挙不正疑惑で選挙高等裁判所にジウマ氏とテメル氏の任期剥奪を訴え、現在も審議継続中だ。だが、最近はPMDBが罷免手続きを主導するなら、それを支援すると伝えていた。アウキミン氏は次期大統領選出馬を視野に入れ、罷免は支持せず、18年の政権交代を望んでいた。
一方、ジウマ大統領は5日、ペルナンブッコ州レシフェで、テメル氏はジウマ政権を支持するはずで「テメル氏には全幅の信頼を置いている」と語った。だが、同発言はジウマ氏や連邦政府が同氏の動向を気にしていることの表れだ。罷免請求受理は、クーニャ議長がラヴァ・ジャット作戦にも関連するスイスの秘密口座について偽証した件で、PT議員が下院倫理委員会での議員権剥奪についての審議継続に賛同するとの意向を受けて起きた。連邦政府の罷免対策会議にもテメル氏は参加せず、問題から距離を置こうとしていた。
4日には、テメル氏と親しく、同氏共々、連邦政府の政局調整(アルチクラソン)役もつとめていたエリゼウ・パジーリャ民間航空局長官が辞任を申し出た。この件は連邦政府側に「テメル氏も引き、PMDBも連立与党を離脱することになりうるのでは」との恐れを抱かせている。大統領はパジーリャ氏残留を望んでいるが、同氏は7日にジャッケス・ヴァギネル官房長官に正式に辞意を伝えた。同氏は今後、PMDB党本部の事務局長職をつとめる。
7日付フォーリャ紙によれば、テメル氏は友人に「ジウマ氏は私のことを信用してくれたことがない」と語り、前日のジウマ氏の言葉を打ち消す発言をしたという。同氏が8月に「この国には再びまとめあげるリーダーが必要だ」と発言した頃から、テメル氏とジウマ氏の間は雲行きがあやうくなっていた。
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