6日にベネズエラで行われた議会選挙で野党の民主統一会議(MUD)が過半数を獲得し、99年に故チャベス前大統領が就任して以来、16年間続いた左派政権(チャビズモ)支配が転換点を迎えたと、7日付伯字紙サイトが報じた。
結果は現地時間7日の午前0時半(ブラジリア時間同日午前3時)に、開票率96%の段階で発表された。投票率は74・25%で、事前の予想を大きく上回った。
MUD所属議員は、同国国民議会の定数167議席中、少なくとも99議席を獲得したのに対し、与党の統一社会党(PSUV)46議席獲得に留まった。
PSUV所属のニコラス・マドゥーロ現職大統領は7日未明、「結果を受け入れる。平手打ちを喰ったようだ」と語り、選挙前にほのめかしていたような、軍出動などの手段に訴える事はしないと表明した。
7日午前3時34分時点のフォーリャ紙電子版では、19議席がまだ確定していない。野党が101議席を超えると定数の5分の3を押さえることとなり、副大統領、大臣の罷免、法律裁可の権限も掌握する事になる。
仮に野党勢力が110を超えると基本法の承認や変更の権限、最高裁判事の罷免の権利、選管委員長任命権、憲法改正の権利も得る事になる。
同国議会はこれまで、与党が圧倒的に優勢で、大統領にほぼ無制限の権力を与えてきた。だが、今回選挙は投票前から野党優勢と言われ、政府与党は考えうる限りの妨害工作を画策。政府は何人もの野党候補の立候補を取り消し、選挙区の区分けを与党議員に有利なように変更したり、国際選挙監視団の査察を拒否したりもしていた。
今回の選挙の結果は、99年から13年まで大統領として君臨したチャベス前大統領の後を継いだマドゥーロ政権における、急激な国民生活状況の悪化が原因だ。サービス業のカルメン・ゴンサレスさん(35)は「何時間も並ばないとオムツも買えない様な国、生活が荒み、国民同士が憎みあうような国にどうして住める? 遠慮なんかしない。これが私の政府に対する考え」と6日午前に語った。