「ブラジル芸能史上、最も多芸な女優」と呼ばれ、国際的な映画賞の獲得経験もあるマリリア・ペラ(72)が5日、リオの自宅で死去した。6日付伯字紙が報じている。
1943年、共に役者の両親のもとにリオで生まれたマリリアは、4歳の頃からステージに立ち、22歳だった65年には、開局まもないグローボ局のノヴェーラ「ロッシーニャ・ド・ソブラード」で主役をつとめた。以降、同局でのノヴェーラでは今日に至るまでなじみの顔にもなっていた。
また、抜群の歌唱力とダンスのうまさでミュージカルでも引っ張りだこで、ブラジル伝説の歌手、カルメン・ミランダの役は得意なもののひとつだ。「ピピン」や「ハロー・ドーリー」といった米国でヒットしたミュージカルのブラジル版では必ず主要な役で出演。自ら振付師として劇も指導した。
ブラジルきっての演技派女優としても知られ、特に81年のエクトル・バベンコ監督の「ピショッテ」での演技では、米国で国際映画批評家協会賞の主演女優賞を受賞。先日、ブラジルの映画批評家協会が選んだ「ブラジル映画ベスト100」でも同映画は12位。その他の主演映画も100位以内に3本入っていた。
今年のサンパウロ市のカーニバルでも、モシダーデ・アレグレのパレードのテーマに選ばれ、そこで自ら華麗な姿も見せた。だが、2年前から肺がんを患っていたことが先月初めて公表され、話題を呼んだばかりだった。