【既報関連】エドゥアルド・クーニャ下院議長による大統領罷免請求受理後、3日のサンパウロ平均株価は3・29%、ドルも2・13%下落と4日付エスタード紙が報じた。景気後退は政権交代の誘因たりうるが、ブラジルでは政治問題も絡んで経済が停滞する中で罷免請求受理が起きた。
14年以降5万5千人が解雇された自動車部品工業界では、罷免請求受理をトンネルの先に明かりが見えたように受け止めた。他部門でも罷免請求受理は経済停滞を更新する新局面突入のきっかけと取った事が3日の平均株価上昇やドル安を招いたが、4日の為替はほぼ安定、平均株価は2・23%下がった。
レヴィ財相は罷免請求受理で議会審議が止まれば財政調整も停滞するとし、一刻も早い罷免審議終焉を望んでいるが、5日付エスタード紙によれば、ウオール街の銀行やエコノミストの間では、罷免審議は時間を要し、16年の経済は今年より悪化との見方が有力だ。大半はジウマ大統領は16年も職務を継続するが、政治的、経済的な混乱が続き、来年の為替は1ドル=4~4・50レとなり、国内総生産(GDP)も2・3~4%縮小、信用格付会社がブラジルのジャンク入りを宣言といった予想が出ている。