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大災害から1カ月過ぎて

鉱滓ダム決壊直後のマリアナ市ベント・ロドリゲス地区: Corpo de Bombeiros/MG(5/11/2015)

鉱滓ダム決壊直後のマリアナ市ベント・ロドリゲス地区: Corpo de Bombeiros/MG(5/11/2015)

 ミナス州マリアナで起きたサマルコ社の鉱山の鉱滓ダム決壊事故から、5日で丸1カ月が過ぎた▼ダムの真下にあった部落の一つはゴーストタウン化し、泥で覆われた街がきれいになるのは早くても1年後といった情報が今も続く。TVでは家や田畑を失った農夫が、ホテル暮らしは「(外を歩く事を許された)自由な囚人」そのものだと嘆く姿も流れた▼サマルコの親会社のValeは当初、決壊したダムに投入していた自社鉱滓は5%と言っていたが、その後の報道では、Vale分の鉱滓は20%を超えていたともいう。しかも、決壊したダムから流出した鉱滓は、申告されていた量の20倍の可能性ありとのニュースを聞いた時は開いた口が塞がらなかった▼企業が利益を追い求めるのは当然だ。だが、環境面も含めた安全確保や従業員達の生活の保障を忘れてはならないし、行政機関も各種の計画を分析し、それが履行されているかを監視しなければならない▼だが、今回の事故後、監査すべき機関に関係する政治家達にも鉱業界からの献金が流れていたとの報道に触れ、監視機関が充分に機能していなかった理由はここにあるのかと勘ぐりたくなった。ドッセ川流域とエスピリトサント州沿岸部の住民や企業、生態系に及んだ被害の全容はまだ解明不能だし、悪天候で中断された海洋視察も7日から再開されたばかり▼大西洋の茶色のしみはこれからも広がるはずだが、明らかに人災といえる災害の傷跡は深く、広い。本当に必要なものを見極めるために、一時的に寄付の受付を止めた機関もある。種々の報道を見る都度、被災者が1日も早く生活の場と平安を取り戻せるよう願わされる。(み)