外交関係樹立120年記念セミナー「日伯医療連携の未来~最新技術を拓く健康社会」が11月27日、サンパウロ市ホテルで開催された。ブラジル日本商工会議所、日本経済新聞社が共催。現役医師や病院経営者また医療機器メーカー代表者などが講演した。
JICA入柿秀俊理事は、日本の病院等で研修を行う「日系研修」や当地への「青年ボランティア」、「草の根技術協力事業」を通じた自閉症児療育の「PIPA」への支援などの事業を紹介。
また民間企業へ向けた、一般金融機関だけの対応が困難な事業を融資する「海外投融資」について説明。かつて当地ではウジミナス製鉄所建設などでも用いられた。
近年の他国の例として、今年6月の日本企業三社が合弁で設立する「カンボジア救急救命センター」への同融資契約の調印を紹介、医療分野への日系病院や企業と協力した事業展開を提案。「日本の優れた技術がブラジルの医療改善に繋がることを目指す」と話した。
また厚労省の飯田圭哉大臣官房審議官が日本の65歳以上の医療費が65歳未満の4倍であるように「高齢化が医療費を押し上げている」現状を説明。医療費は40兆円を超え、予算の2割が医療分野が占めている。
対策として、ジェネリック医薬品の普及や全国民の医療費中3割を占める病院の機能を分化させることにあり、在宅治療など「より効率的に医療を提供することにある」と紹介された。
会場には商議所の会員をはじめ、当地の医療関係者など約300人が訪れ、今後の医療分野の日伯の協力体制について理解を深めた。