【既報関連】9日夜、サンパウロ市中心部でサンパウロ州州立校再編案反対の抗議活動を続ける生徒と軍警が武力衝突を起こしたと10日付伯字各紙が報じた。
州立校再編案に反対して11月初旬から始まった抗議活動は、12月4日にジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が16年度の再編案凍結と対話の継続を表明したことで収束に向うかと思われたが、再編案の完全撤廃を望む生徒の抗議活動は未だに止んでいない。
生徒と軍警の衝突は9日午後9時ごろ、生徒達によるデモ行進が共和国広場の州教育局に接近した時に発生した。証言によると、抗議行動は平和裏に行われていたが、覆面集団が軍警に向かって投石したことで衝突が起きたという。
軍警はそれに催涙ガス弾で応戦し、抗議活動をしていた生徒と謎の覆面集団は散り散りになった。抗議行動にはおよそ2千人(軍警発表、主催者側発表は3500人)が参加していた。
抗議活動家達の一部は逃走中に公衆電話を破壊する、路線バスの窓やブラジル銀行のガラスを割るなどの破壊行為を行った。
軍警との衝突に際し、生徒達と覆面集団の間には振舞いに明確な違いが見られた。生徒達は道路にバリケードを築き、ゴミに火をつけるなどしていたのに対し、少数派の覆面集団は花火や石、自作の爆弾などを軍警に投げつけていた。
警備計画責任者のルイス・クラウジオ・ドス・サントス隊長は、抗議活動開始時より、「今日はブラック・ブロックが出てくるとの情報がある」とし、武力衝突への危惧と、公共財、私有財の破壊に備えた作戦をとることを表明していた。
「破壊活動や警察と衝突したのは生徒達じゃない」と語るのは、サンパウロ市西部ピニェイロス区のフェルナン・ジアス・パエス校に通うエウデス・オリヴェイラ君(18)だ。
衝突時に一人の警官が拳銃を抜き、2~3発、威嚇射撃を行った。警察から暴行を受けたと語る抗議活動者もいる。
共和国広場で始まった混乱は、コンソラソン街を経てパウリスタ大通りまで、約1時間、3キロにわたって続いた。
この衝突で少なくとも13人(内8人が軍警)が負傷、午後11時までに未成年者6人を含む抗議活動参加者10人が逮捕された。