ブラジル地理統計院(IBGE)が、11月の拡大消費者物価指数(IPCA)が同月としては02年以来最高の1・01%上昇したため、12カ月間のインフレ率は10・48%となり、12年ぶりに二桁突破と10日付伯字各紙が報じた。
11月最大のインフレ要因は燃料価格と電気代の上昇で、電気代は12カ月間に52・3%上昇した。輸入品価格はドル高で、食料品価格も多雨による生鮮食品の不作などで値上がりした。
アレシャンドレ・シュワルツマン中銀(BC)元国際部長は「全品目のほぼ8割が値上がりし、インフレ圧力が隅々に及んでいる」と語った。
IBGEコーディーネーターのエウリーナ・ヌネス・ドス・サントス氏は、「医療保険プランなど、物価変動に基づいて価格改定を行うサービスでは、来年の料金が大幅に上がる」と述べた。
同氏は更に、幅広い品目で価格上昇が起きているため、多くの小売業者やサービス業者に、「自分達も上げて良い」という心理的効果が発生しているとしている。しかし、現在のインフレは〃ハイパーインフレ〃時代とは比べられないとし、「90年代前半のハイパーインフレを引き合いに出すのは早すぎる。あの時代の事象は全く説明が付かなかったが、今のインフレ昂進については少なくとも理由が説明できる」と語った。
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