G1サイトのリオ五輪ページによれば、「都市鉄道システム」(VLT)はすでに70%が完成しており、来年第2四半期に引渡し予定。
それ以外にも市内各地では、バス高速輸送システム「BRT(Bus Rapid Transit)」も建設中だ。専用車線を走る高速バスで、4路線の全長150キロ、180駅を予定。バーラ、デオドロ、マラカナンの3地区を結ぶ五輪に向けた超強力なバス網だ。
Terraサイト五輪記事8月21日付には《すでに運行している》と明言されていた。でも実際に視察した結果らすれば、「一部開通しているが完成にはほど遠い」あたりが現実だ。前述のG1五輪サイトには、やはり70%完成しており、来年第2四半期までに引渡し予定とある。
その他、地下鉄4号線の延長、選手・関係者のために専用道路の工事も進行中。インフラ工事が全て完成するとは思えないので、「少なくとも五輪関係者だけは渋滞に巻き込まれないように」との配慮か。どの案件も「16年6月完成予定」というので、日本人的には非常に心許ない気もするが、これからが有名な〃ブラジル・マジック〃(最後の土壇場で何とか間に合わせてしまうブラジル独特の準備スタイル)の見せどころか。
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コパカバーナ経由でバーラ地区へ。空港を発った午前11時ごろには、渋滞も緩和されているのは幸いか。同地区マラペンジのゴルフ会場「リゼルヴァ・ゴルフ」に無事到着した。
ゴルフ場は訪問時で98%完成とのこと。インフラ関連と比べたら至極順調だ。ティーショット周辺やバンカー整備など細部を残すのみという。
設計責任者の英国人ニール・クレバリーさん(56)はコースについて、「ロングホール、複雑なホールもある。風が強い日はさらに難易度が上がる」とし、「平均的な条件下であれば6、7アンダーくらいで金メダルを争うのではないか」と見所を語った。
設計には音楽フェス「ロック・イン・リオ」の演出や、北京五輪でブラジル代表公式Tシャツのデザインを手がけたデザイナーの緒方信行さん(38、広島)も関わる。8社競合の中、10年間の経営権を勝ち取った現オーナーの親族を妻に持つ縁で、設営に協力している。
会場が環境保護区内とあって、緒方さんは「COBからは自然を残すよう言われた。コース内であっても原生植物を不必要に切るなと。コース間に花を植えることも禁止されたが、おかげで鳥やヘビ、ワニも生存している。自然豊かなブラジルらしいゴルフ場が完成した」と出来栄えに自信を見せた。
緒方さんらが「間もなく引き渡せる」と話した通り、COBは22日にゴルフ場を引き取ったと発表。五輪後には4カ月間のリフォームを経て、17年に一般利用のため再オープンする予定。ニールさんは「プロによる全米ツアーでも利用できれば」との意向を話した。(つづく、小倉祐貴記者)
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