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大統領官邸でマクリ氏に挨拶をするジウマ氏(Roberto Stuckert Filho/PR)
大統領官邸でマクリ氏に挨拶をするジウマ氏(Roberto Stuckert Filho/PR)

アルゼンチン=マクリ氏が大統領に就任=国民に和解の重要性訴える

襷授与式前にもたれた個別会見で(左からジウマ氏、マクリ氏、フリアナ夫人、副大統領のガブリエラ・シチェッチ氏、Roberto Stuckert Filho/PR)

襷授与式前にもたれた個別会見で(左からジウマ氏、マクリ氏、フリアナ夫人、副大統領のガブリエラ・シチェッチ氏、Roberto Stuckert Filho/PR)

 アルゼンチンのブエノスアイレスで10日、マウリシオ・マクリ氏(56)の大統領就任式が行われ、国内の和解と一致を呼びかけたと11日付伯字紙が報じた。
 12年間続いた反米左派から中道右派へ移行した新政権は、引継ぎの方法を巡って対立したクリスチーナ・キルチネル前大統領欠席という異例の就任式でスタートした。クリスチーナ氏は自政権最後の9日夜、5月広場に集まった会衆に別れを告げ、10日は同国南部に旅行に出かけた。
 就任式は議会での就任演説と大統領官邸での襷授与式、外務省での各国首脳への挨拶という形で進められたが、ジウマ大統領は専用機の着陸に手間取り、議会での就任演説に間に合わなかった。ジウマ氏とその一行は、大統領官邸での短時間の個別会談後、襷の授与式や各国首脳への挨拶にも出席せず、帰国した。
 就任演説では、国家が前進するために国民が和解し、一致団結して歩むべきとの主張と共に、名前は伏せた形で汚職や言論統制などが指摘されていた前政権を批判。麻薬組織撲滅や貧困撲滅、ファヴェーラの市街地化と貧困地区への下水道整備なども打ち出した。
 1世紀前は世界の経済大国上位10位に入っていた同国も、現在は経済が停滞。20%を超えるインフレや国内総生産の6%超の財政赤字、対外的な債務不履行(デフォルト)や保護貿易主義批判など、国内外に数多くの課題を抱えている。
 キルチネル夫妻の政権は、ポピュリズム(大衆迎合主義)と一次産品主導型経済、社会保障のばら撒きによる短期的な成長と長期的な経済破綻が特徴だが、この評価はブラジルなどにも当てはまり、今後が懸念されている。