五輪におけるゴルフ競技は1904年のセントルイス大会以来112年ぶり。男女は初とあって世界からの注目度は高い。
ゴルフ場は完成度100%となり、無事COBに引き渡された。ただしこの数値は「競技実施に〃直接〃関連する部分」という基準で出されている。だから、クラブハウスの方は内装や電気系統の整備が終わっておらず、客席やメディア向け設備も整っていなかった。
他の新設会場も、工事完成度の数値こそ高いものの関連設備の方は不明だ。リオ市サイトを見ると11月の時点でメイン会場となる「バーラ・オリンピック・パーク」内にあるカリオカ・アレーナ1、2、3がそれぞれ95%、97%、98%、競泳会場96%、テニス会場85%などいずれも「ほぼ完成」といえる数字だ。
次回16年1月のAPO発表では、さらに数字は高くなるだろうが、「100%=最低限、競技だけはできる状態」という認識の方が現実的。
このようにCOBと政府機関との調整役を担う五輪公共担当局(APO)は、14年1月から半年毎に進捗状況を発表しており、今年8月の報告では競技実施に直接関わる全事業46件の内、11件が完成したとしている。
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続いて選手村「Ilha Pura」へ。17階建てのマンション31棟がズラリと建ち並ぶ。日本選手団は、この内2棟を貸し切って利用したい考えという。
管理・運営する不動産会社「CHBARRA」の担当者は、「部屋数は全部で3600戸。1万1千人が居住できる地区として5月に完成予定。31棟はほぼ完成しており、駐車場や敷地内の公園など一部の工事を残すだけ」と話し、まずまずの進捗具合のようだ。
少なくとも昨年のサッカーW杯直前、ギリギリに〃完成〃とした日本サッカー代表のキャンプ地イトゥーの施設よりも、大分進んでいる。
8月のAPO発表では91%完成、11月のリオ市発表では97%まで上昇していた。五輪後17年の一般利用に向けて敷地内では、ショッピングセンターも建設予定という。
各アパートは7、80平米の単身向けから、220平米という家族・複数利用向けまで様々。リビングや寝室、台所はもちろん、子ども部屋や書斎、一部にはシュラスケイラもあるのがブラジルらしい。
2007年パン・アメリカン大会で使用された施設を活用しつつ、足りない分を新設分として建設している。バーラ地区にあるラテンアメリカ最大のコンベンションセンター「リオ・セントロ」などは、14年サッカーW杯でメディアセンターとして使われ、既に稼動中だ。
一行が訪れた際には、卓球のプレ大会が行なわれていた。「本大会前のテスト」という位置づけだが、一般開放しておらず規模はあまり大きくない。そのためか運営には全く問題がないように見えた。(つづく、小倉祐貴記者)
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選手村がある地域は、1平米9千~1万レという土地価格が相場らしい。管理する不動産会社によると、「一番小さな部屋なら65万レほどで購入できます。時期や支払い方法によっては、もっとお安く出来ます」との宣伝も。まだ整備途上の地域だが、思ったよりもお値打ちか。遅くとも〃五輪後〃にはアクセスなどもグッと良くなるはずなので、将来の土地価格高騰を計算して先買いも有り?