14日、アカデミー賞(オスカー)を占う意味で重要な前哨戦とも呼ばれている「クリティックス・チョイス・ムービー・アワーズ(CCMA)」のノミネートが発表され、今年のオスカー外国語映画賞のブラジル代表の「キ・オラス・エラ・ヴォルタ(英語題「ザ・セカンド・マザー」)が残り、オスカーのノミネートに希望を残した。
CCMAはここ数年、オスカーを占う意味で重要な賞と位置づけられ、ここでノミネートされた作品は例年、8、9割の確率でオスカーの最終候補入りを果たしている。
「キ・オラス~」は、この日、CCMAの外国語映画部門の最終候補5作品のうちのひとつに入った。
「キ・オラス~」は、今年1月のアメリカでのサンダンス映画祭やドイツのベルリン国際映画祭で賞を獲得。
アメリカでも公開後に好評を博していたことから、オスカーの外国語映画賞の有力候補のひとつに数えられていた。だが、12月から全米各地で続々とはじまった映画賞では、受賞やノミネートの声が聞かれていなかった。
こうした経緯から、主演をつとめていたレジーナ・カゼは、もし達成すればブラジル人女優としては「セントラル・ステーション」でのフェルナンダ・モンテネグロ以来、17年ぶりとなる主演女優賞へのノミネートも含め、「無理だろう」とあきらめムードな発言も行っていた。
だが、主演女優賞でこそ名前が挙がらなかったが、オスカー前哨戦最後の重要賞で作品がノミネートされたことで、外国語映画賞に関しては希望を残すこととなった。
このオスカーの外国映画賞は、世界81カ国の英語圏以外の国が自国の代表作をエントリーさせて争うものだ。慣例に従うと、この中から12月20日前後にセミ・ファイナリストとなる作品が8~9作発表され、最終的には、来年1月14日に最終候補5作が発表となる。
ブラジルからこの賞へは過去4作品が最終候補入りしているが、受賞の快挙はない。最後の最終候補は前述の「セントラル・ステーション」だ。
今年の同賞候補には、今年のカンヌ国際映画祭で準グランプリに輝いたハンガリー代表の「サウルの息子」や、台湾代表で同じくカンヌの監督賞に輝いた名匠・ホウ・シャオシェン監督の「黒衣の刺客」などの強力作があるため、道のりとしてはかなり険しいものではある。(14日付G1サイトなどより)