国際連合開発計画が14日、ブラジルの人間開発指数(HDI)は0・755で、14年発表の0・752より若干改善したものの、世界188カ国の中でのランキングはスリランカに抜かれて75位となったと発表と14日付伯字紙が報じた。
HDIは平均余命、教育及び所得指数をまとめたもので、ブラジルの平均余命74・5歳と就学年数7・7年は、14年の74・2歳と7・4年より改善したが、一人当たりの年間所得は1万5175レで、14年の1万5288レより減額した。
今回の報告書ではブラジルに関する言及が10回ある。3回は03年導入の生活扶助(ボウサ・ファミリア)についてで、09年までに500万人が極貧層を脱出、貧困者の割合が8%ポイント減少したと紹介、他国での導入も勧めている。経済活性化計画(PAC)も、専門的な知識や経験の少ない人にも雇用の機会を与え、社会格差を減らすと賞賛されている。生活扶助とPACは、継続のための財源確保が今後の課題だが、その事への言及はないようだ。
今回の中心テーマは「人間開発の動力としての雇用」だが、世界中の児童労働者は1億6800万人、奴隷労働者は2100万人、危険な仕事に就いている労働者も3千万人いる。1日の収入が2ドル未満の労働者も8億3千万人いた。失業者は2億400万人で、青年層が36%を占めていたという。
HDI世界一はノルウェーの0・944で、平均余命上位3国は香港の84歳、日本の83・5歳、シンガポールとスイスの83歳だ。就学年数上位はドイツとアイスランド13・1年、オーストラリア13年、カナダ13年、スイス12・8年と続く。個人所得上位はクエートの年12万3124ドル、リヒテンシュタイン7万9851ドル、シンガポール7万6628ドルなどだ。
また、ブラジルでは女性の収入が男性より24%少なく、性による格差が依然として続いている。
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