ビジネスニュースブラジル国内ニュース(アーカイブ)

フィッチ=ブラジルの長期債務を格下げ=わずか2カ月で投機級に

 世界3大格付会社の一つのフィッチが、16日に外国通貨によるブラジルの長期債務の信用格付をBBB-からBB+に引き下げたと同日付伯字紙サイトが報じた。
 同社は10月にブラジルの信用格付をBBBからBBB-に下げており、わずか2カ月で2度目の格下げにより、ブラジルの信用格付は投資適格級から投機級に落ちた。投機級への格下げは、9月のスタンダード&プアーズに次ぐ2社目だ。
 連邦政府が16年度の基礎的収支黒字目標の0・5%への引き下げを提案した翌日の格下げ決定は、政府内でのレヴィ財相の立場が弱くなった事や、頻繁な黒字目標変更に伴う経済政策への信用喪失を反映している。
 同社は同日、ブラジルの景気後退は予想以上に深刻で来年も景気回復が困難と見られる事や、最近の動向から、政府が効果的な政策を採れない事による財政面の不透明感の高まりを指摘。政府が16年の基礎的収支黒字目標を実現するための政策を議会に承認させられるかを疑問視すると共に、公的負債は年内に国内総生産の10%を超え、16~17年も7%以上となると予想している。
 現段階ではブラジルの債務を投資適格級に据え置いているムーディーズも、9日にブラジルの信用格を引き下げる事を検討中と発表しており、引き下げは不可避との見方が強い。
 レヴィ財相は外貨準備高確保などで格下げ回避を図っていたが、格付会社2社の信用格付引下げで、国外投資確保は従来以上に困難になり、為替も叩かれるようになる。
 連邦政府はフィッチの格下げは1月と予想していたが、議会工作優先策が格下げを早め、国際的な信用を更に落とした。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button