16日夜、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官が最高裁に、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の解任を求める嘆願書を出した。嘆願書の中で同長官は、クーニャ氏が職権濫用や捜査妨害を行ったことを11もの例をあげて説明している。17日付伯字紙が報じている。
ジャノー氏はクーニャ氏解任を求めた理由に、クーニャ氏がペトロブラス(PB)の議会調査委員会(CPI)や同氏の罷免を問う下院倫理委員会で、同氏に不利になる証言などをもみ消そうとしたことをあげている。
まず、PBのCPIでは、セウソ・パンセラ下議(当時、現科学技術相)らのクーニャ派の議員を使い、シャヒン・グループ上層部やラヴァ・ジャット作戦の闇ブローカーのアルベルト・ユセフ被告の親類を召喚すると共に、証言者らに圧力をかけてクーニャ氏は賄賂の受取人の一人にしかすぎないと証言させようとするなどの、裏工作がなされたという。
また、ラヴァ・ジャットの被告に報奨付証言を勧めた弁護士のベアトリス・カッタ・プレッタ氏に対し、パンセラ下議が「弁護士報酬が高い」などの理由で同氏をCPIに召喚するよう強要し、同氏が弁護を辞退するに至ったこともあげた。同件は、報奨付証言でクーニャ氏への500万ドルの贈収賄の話が出たことが背景と見られていた。
また、クーニャ氏の議席剥奪を審議するか否かを問う下院倫理委員会において、審議継続を主張していた報告官のファウスト・ピナト下議を、最高裁から反対されたにもかかわらず、副議長を介して強引に交代させたこともあげられた。
議長就任前にも、クーニャ派のソランジュ・アルメイダ元下議の名前を使って文書を出し、賄賂の支払いが滞っていた企業に支払うよう圧力をかけたことや、ラヴァ・ジャットでの贈賄工作関与が疑われるBTGパクトゥアル銀行などに便宜を図るような法案を作ろうとしたことなどもあげられた。
嘆願書で挙げられた理由には、15日に連邦警察がクーニャ氏宅から押収した物件から得た証拠も含まれている。
そのひとつは同氏の携帯電話のメッセージで、2012年頃、OAS社のレオ・ピニェイロ氏やアンドラーデ・グチエレス社のオタヴィオ・アゼヴェド社長(当時)と賄賂の交渉などを行ったことが確認された。
また、クーニャ氏と妻の寝室からは、同氏が収賄を受けたとされる、ペトロブラスの2011年のアフリカのベネンの事業絡みの支払いに関する資料なども見つかった。
嘆願書の扱いはテオーリ・ザヴァスキ判事の判断に委ねられるが、下院議長に関する審理は全体で行う必要がある上、最高裁は今日18日で閉廷となるため、嘆願書が受理されても審理は2月以降となる見込みだ。
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