17日に今年最後の国家通貨審議会(CMN)に出席したジョアキン・レヴィ財相は、来年1月末のCMNには出席しないと、事実上の辞任宣言をしたと18日付伯字各紙が報じた。
同財相は、会合後に年末の挨拶をした上、来年1月のCMNには出席しない旨を告げたという。財相は来年度の基礎的財政収支の黒字目標を0・7%で維持できなければ辞任する意向を表明していたが、ジウマ大統領は15日に黒字目標を0・5%に引き下げる案を議会に提出。予算委員会は16日、連邦議会も17日に同案を承認した。
報道陣はCMNでの発言の真偽を確かめようとしたが、同財相は「CMNで話したことを漏らすことは職務違反にあたるので、肯定も否定もできない」との声明を発表したのみだった。
CMNの委員達は財相の辞任表明と思しき挨拶に驚いたが、ジウマ大統領は1月に財相交代をと考え、財相とも合意をつけていたとされる。財務省職員達も1月までに辞任の方向で、準備を行っていたと言うが、財相の言葉で辞任への動きが加速する可能性もある。
ジウマ大統領はブラジル経済復活の希望が託せる人物を望み、後任の選定作業に入っているが、まだ最終的な候補者は決まっていない。
レヴィ財相(L)と電話インタビューを果たしたエスタード紙(E)にはこんなやり取りが載せられた。
E「ジウマ大統領はとはどんな話を?」
L「今日は話していない」
E「なぜ大統領は財政改革を成し遂げられない?」
L「大統領じゃないから分からない。(反財政改革に向けて)様々な方向から圧力がかかっているのでは」
E「大臣は年内での辞任を望んでいますが、後任が決まるまで留まるのですか」
L「どんな時でも後任は決まるものだ。年末までには多くの選択肢が出てくると思う」
レヴィ財相の辞意表明を受けて名が挙がっている一人はネルソン・バルボーザ企画相だ。同相は成長戦略論者として知られ、労働者党(PT)やルーラ前大統領の意向に近い名前だが、市場関係者らは現状で最適な人選とは思っていない。