パラグアイのアスンシオンで21日、南米共同市場(メルコスル)の首脳会議が開催され、ジウマ大統領も参加した。この日の会議では、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ新大統領がベネズエラのニコラス・マドゥーロ政権に政治犯を解放するよう強く呼びかけ、ベネズエラ代表が反論する光景が見られる緊迫したものとなった。22日付伯字紙が報じている。
マクリ大統領は11月の大統領選当選直後からベネズエラの民主化を強く迫る意向を示していたが、それはこの日、11分にも及んだ演説に早速現れた。
マクリ氏は6日に行われたベネズエラの議会選挙での大敗をマドゥーロ大統領が認めたことを評価しつつも、「イデオロギーを理由に政治的迫害を行う国の居場所はメルコスルにはない」と語り、「政治犯の即時解放を」と求めた。
マドゥーロ氏は今回の会議を直前でキャンセルしており、デルシー・ロドリゲス外相が代理として参加した。同外相は「マクリ氏はわが国の政治に干渉し、この人物を救いたいようだ」とし、騒乱罪を適用され、13年9カ月の実刑を受けて服役中の野党政治家レオポルド・ロペス氏の写真を見せた。
また、同外相は続けざまに、バズーカ砲などを抱えた反政府派の武闘派の写真を見せ、「治安のため」と、国際的に非難を浴びている弾圧行為を正当化した。
さらにマクリ氏に対し、「あなたもアルゼンチンの軍政時(1976―83年)に軍を支持したではないか」と言い返した。マクリ氏は会議後、「全くの誤解だ」と憤然とした。
この問題に関し、チャヴェス政権以来の親ベネズエラ派のジウマ大統領は、アルゼンチンとベネズエラ両国の選挙の過程を「民主主義が熟してきた証拠だ」とほめるに過ぎなかった。アルゼンチンも、前任のクリスチーナ氏は親チャヴィズモの代表的政治家として有名だった。
また、ジウマ大統領は今回の会議で、デルシー外相やウルグアイのタバレー・ヴァスケス大統領から、連邦議会から罷免請求を受理されたことを「災難だ」として、ねぎらいの言葉を受けた。ボリビアのエヴォ・モラエス大統領も以前から、「12年のパラグアイでの議会クーデターと同じだ」として議会側を非難している。
また、この会議では、かねてから懸案の、欧州連合(EC)との貿易協定を本格的に締結させるよう動いて行くことが約束され、あとは「大西洋の向こう側(EC)の態度だけだ」とジウマ大統領も席上で語った。
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