「O japonês da Federal」(連邦警察のあのジャポネース)との言葉を聞いたことがあるだろう。本名は「石井ヒデノリ・ニュートン」、クリチーバ連邦警察におけるラヴァ・ジャット作戦の逮捕・連行部門の責任者だ。彼が逮捕した大物にはルーラの右腕ジョゼ・ジルセウ、〃ルーラの親友〃ブンライ、マルセロ・オデブレヒト(最大手建築会社社長)ら錚々たる面々だ▼サングラスに連警の紋章を胸につけて連行する様子が何度もニュースで放送された。連行するのが仕事なのに、妙にヒーロー的イメージを持たれ、正義の味方、民衆のアイドルになりつつある▼なんと今年のリオのカーニバルのマルシンニャ(行進曲)には彼を歌ったものも発表された。歌詞いわく「ああ、なんてこった、失敗したよ。うちのドアを叩くんだ、連邦警察のジャポネースが。気持ちよく寝てたのに、夜が明ける6時頃、大きな音を聞いた。ドアを開けたら、ジャポネースが言った。『こっちへ来い。お前はパラナ州への旅行が当たったぞ』。ああ、なんてこった」「俺は答えた。セニョールは間違ってる。俺はタダの労働者だ。ロビイスタでも、上院議員でも、下院議員でもないゾ!」というユーモラスな風刺がバカ受けしてネット上で沸騰中だ▼さらに北東伯オリンダのカーニバルで町を行進する巨大人形「ボネッコ・ジガンテ」にもこのジャポネースは登場すると報じられている▼カルタ・カピタル紙電子版によれば、石井さんは76年から連警に勤務するベテランで、パラグァイからの密輸に関係した容疑で03年に連警に逮捕されて一端は追放されたが、再び職務に戻った。出世街道から外れたジャポネースという経歴が、逆に庶民受けしているのかもしれない▼でもデウシジオ上議が逮捕されたきっかけとなった録音では「ジャポネース・ボンジーニョ(イイ奴)」とよばれ、彼が機密扱いの報奨付き証言をマスコミや関係者に漏洩している人物として出てくる。「漏洩してくれる」から〃イイ奴〃なのであり、当然、良い意味ではない▼〃正義の味方〃なら大歓迎だが、くれぐれも妙な意味で「ジャポネース」という言葉を流行らせないでほしいものだ。(深)
https://youtu.be/ylud9uuanpcMarchinha(サンバ行進曲)「O japonês da Federal」歌詞は以下の通り
作詞=Dani Batisttone, Jabolinha e Tigrão
作曲=Thiago Vasconcellos de Souza
ああ、なんてこった、失敗したよ!
うちのドアを叩くんだ、連邦警察のジャポネースが(2回繰り返す)
気持ちよく寝てたのに
夜が明ける6時頃、大きな音を聞いた
ドアを開けたら、ジャポネースが言った
『こっちへ来い。お前はパラナ州への旅行が当たったぞ』
ああ、なんてこった、失敗したよ!(2回繰り返す)
心臓が縮みあがった俺は、答えた
『セニョールは間違ってる
俺はタダの労働者だ
ロビイスタでも、上院議員でも、下院議員でもないゾ!
ああ、なんてこった、失敗したよ!(2回繰り返す)