自閉症児教育の専門家、平雅夫さん(49、大分)の講演会単純「日本での経験―治療か教育か」が12日昼、援協神内ホールで行われた。同氏は援協が運営する自閉症児療育学級「青空学級」(PIPA、井上健治代表)の日本側責任者を務め、これまでも当地で講演を重ねている。会場には同学級の保護者や学生など約90人が集まった。
子育てする親の目線に立って講演を進める中、まずは子どもが好むことから「できることを増やすこと」が重要で、そのためには親や周囲の真似をさせることが初歩であるとした。
思春期を迎える辺りからは、それらを発展させ、生活に必要な習慣、将来の仕事に結びつけることまで習得が可能だという。またそういった子どもの成長を親が感じることで、「子育てのやりがいも自然と生まれてくる」と話した。
苦悩の多い子育てに最も大切なことは、「子どもに可能性を感じること」で、外部からの知識や社会的な支援の必要性も説いた。
明るいニュースとして日本では現在、厚生労働省が雇用社員の2%を障害者に充てるよう義務づけており、全体で50万人の障害者が一般企業で雇用、今後も増える見通しであることが紹介された。
当地に関しても、同氏がかかわり始めた5年前と比較して、「薬を頼りに落ち着かせる習慣から、PIPAが先導する『日常生活療法』へと関心が広がっているように思う」と喜んだ。