ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | リオ州=瀕死の患者しか診られず=財源不足で荒廃の医療現場=基本的な医療用資材も不足=州都と連邦政府が資金援助
診療が行われず困窮する市民(リオ市北部HSGVで、Fernando Frazao/Agencia Brasil)
診療が行われず困窮する市民(リオ市北部HSGVで、Fernando Frazao/Agencia Brasil)

リオ州=瀕死の患者しか診られず=財源不足で荒廃の医療現場=基本的な医療用資材も不足=州都と連邦政府が資金援助

 リオ州の州立病院が財政難のために、ゴム手袋、ガーゼ、絆創膏、薬などの物資さえ枯渇し、急患患者の診療さえできない状態に陥っていると、24~28日付伯字各紙が報じた。物資を供給している業者への負債は14億レアル(24日フォーリャ紙より)に上っているという。

 各州立病院がほぼ1週間、実質的に閉鎖された状態となった後、23日にリオ州は連邦政府と、リオ市政からの支援の約束を取り付けた。
 リオ市は1億レの貸与、連邦政府は4500万レの貸与と、基礎的医療品の援助を申し出た。連邦政府は1月前半までに9千万レの追加支援を約束している。
 180日の期間で、同州医療の非常事態を宣言していたルイス・フェルナンド・ペザン同州知事(民主運動党・PMDB)は「1億5200万レの臨時貸付があった」と語った。
 同州政府は、10月以降、商品流通サービス税(ICMS)の減収が著しい事や、国際的な原油価格の落ち込みで、ペトロブラス社からのロイヤリティが落ち込んだ事を今回の医療資金枯渇の理由として挙げている。
 業者への支払いが遅れたせいで医療用品の補給が滞り始めた事もあり、医師が診療を拒否し始めた上、給与の遅配が原因で外注の病院清掃スタッフも現場を逃げ出した。
 24日付F紙によると、財政難のため、17の緊急医療施設(UPA)と、七つの州立病院が部分的、全面的に閉鎖されている。
 リオ州立ジェトゥリオ・ヴァルガス病院(HSGV)では、命に危険が及ぶような極度の重症患者に限り、診療している。22、23日には、13カ月給の遅配と劣悪な労働環境へ不満を示している職員による抗議行動が連日発生した。
 28日付エスタード紙(E)は、12月1日付で同州保健局長に就任したルイス・アントニオ・デ・ソウザ・テイシェイラ局長(L)へのインタビューを掲載した。

E「この医療体制の『崩壊』は、経営努力で防げたのでは?」
「州が各種業者と契約を交わしたとき、州は確かに支払い能力があったが、その後州政府は経済危機に陥った。今は支出を抑える事に注力する」
E「どこの支出を切り詰めますか?」
「全ての病院、保健局内のセクション全てだ。全ての契約を見直す。他に手段はない」
E「知事からは何を要求されましたか?」
「緊急の課題を解決する事と同時に、都市部周辺の医療体制を立て直すために、中長期のプランを立てて実行する事や、各市への家族健康計画の拡大を依頼された」