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BNDES=国庫に48億レの配当金=PBへの貸付で財政逼迫も=なりふり構わぬ連邦政府

 財務局の要請で、社会経済開発銀行(BNDES)が23日、連邦政府の今年度の決算を援助するために配当金48億レアルを支払うことを決めた。BNDESは現在、ペトロブラス(PB)への資金援助で資金源確保が苦しい中にいる。26日付エスタード紙が報じている。
 この支払い額は14年の未払い分と15年の前倒し分の総計で、ジョアキン・レヴィ財相管轄下の15日に請求が行われた。同件はレヴィ財相の後任として21日に就任したネルソン・バルボーザ財相の下でも引き継がれ、圧力を受けたBNDESは23日の経営審議会で支払いを認めた。
 だが、BNDESとしては厳しい状況の中での決断だった。BNDESはこの2年、PBに巨額の貸付を行っており、中央銀行から財源確保のため、支出をセーブするように命じられている。
 中銀の規定では、BNDESからの貸付額はひとつの貸付対象に対し247億レアルまでと決められているが、BNDESはPBに対し、2014年は640億レアル、15年上半期も500億レアルをやや上回る貸付を行い、新たな貸付が禁じられている。BNDESは16~18年のPBへの貸付額を20%減額しなければならない。
 連邦政府がBNDESからの配当金を受け取るのは14年9月以来となる。BNDESと連邦貯蓄銀行からの配当金は2008年以降、税収等の通常の歳入以外では最大の収入源となっている。08年以降のBNDESからの配当金は、630億レアルに上っている。
 また、政府は議会に、15年は基礎的財政収支の赤字が1198億レアルになることを承認させているが、この枠の範囲で15年の会計を締めるためには、税収以外の収入が必要な状況だ。
 BNDESが配当金の支払いを認めた翌日、連邦政府は、連邦会計検査院(TCU)によって財政責任法違反と判断された負債のうち、BNDESに151億レアル、勤務年限保障基金(FGTS)に109億レアルを支払うことを発表した。
 また、同24日、連邦政府は暫定令(MP)704号を出し、14年の国庫の黒字分を15年の歳出用に回すことを認めさせようとした。
 このMP704号に関し、昨年の大統領選でジウマ大統領と最後まで争ったアエシオ・ネーヴェス上院議員(民主社会党・PSDB)は、「昨年もMP661号を出して全く同じことをした。会計のトリックをまた使おうとしている」とし批判した。