強いエルニーニョ現象のため、パラグアイやアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイで洪水被害が相次ぎ、27日夜の時点で17万人が避難生活を余儀なくされていると26~28日付の伯字紙や各紙サイトが報じた。
エルニーニョ現象はペルー沖の太平洋の海水温が平年以上に高くなる現象で、南米では干ばつや大雨などの異常気象が起きやすくなる。
エルニーニョで増幅された雨の被害が大きいのはパラグアイで、アスンソン市内を流れるパラグアイ川が32年間で最大の7・82メートルの水位上昇を記録。同市では27日も停電が続き、倒木で4人が死亡。同川流域では13万人以上が避難している。オラシオ・カルテス大統領は非常事態を宣言し、350万ドルの支援を承認した。
アルゼンチンもパラナ川とウルグアイ川が増水し、北西部3県で2万人以上が避難しており、死者も2人出ている。27日に現場視察したマウリシオ・マクリ大統領は、被災地支援のため2千万ペソ(約590万レ)の支出などを決めた。同国で最も被害が大きいのはコンコルジア市で、1万人以上が避難中だ。
ウルグアイ北部では、アルチーガス、パイザンドゥ、リヴェラ、サウト、リオ・ネグロ、ドゥラズノの各県中心に被害が報告され、9083人が退避(28日付フォーリャ紙は1万1300人と報道)している。同国でも死者が出ている。
ブラジルで被害が大きいのは南大河州で、26日にはジウマ大統領も現場を視察した。ウルグアイ川の水位は11・18メートル上昇。27日午後5時現在、40市で洪水などが報告され、2214世帯が非難している。同州内では27日もウルグアイ川やグアイバ川の水位が上昇したが、上昇幅は前日より小さかった。
なお、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、南米では1月もかなりの雨が降ると予想している。
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