リオデジャネイロ市の名物に数えられていたサンタテレーザの路面電車が、徐々に運行を回復している。
同電車は2011年8月に死者6人と50人を超える負傷者を出す脱線事故が起きて、運行が停止した。それ以降、復旧作業が続いており、運行を再開する区間が徐々に延びている。
今年7月に運行が再開されたのは、市中央部のラルゴ・ダ・カリオカとサンタテレーザ区のラルゴ・ド・クルヴェロまでで、12月28日からはラルゴ・ド・クルヴェロからラルゴ・ドス・ギマランエスまでの500メートルの区間で試験運行が始まった。1月前半には、ラルゴ・ド・クルヴェロからラッパ区のフランシスコ・マルトリ通りまでの試験運行も始まる見込みだ。試験運転区間は、11~16時まで無料で利用できる。
フランシスコ・マルトリ通りの運行は1966年から止まっていたが、脱線事故後は、同通りでの運行も復活させる事になった。同州交通局のカルロス・ロベルト・オゾリオ局長は、2017年にはオディロ広場からラルゴ・ド・フランサまでの3キロの区間でも電車を運行させる計画である事を明らかにしている。
運行区間がラルゴ・ドス・ギマランエスまで伸びた事を記念する開通電車に乗りこんだ人々は、「路面電車の復活はこの町の文化が戻ってきた証。この電車はサンタテレーザの象徴だし、この電車を見たい、この電車に乗りたいと思う人がまた戻ってくるわ」と口々に喜びを表した。
友人3人とラルゴ・ドス・ギマランエスからラルゴ・ダ・カリオカまでの旅を楽しんだアルゼンチン人のエラ・フレイシュマンさんは、地下鉄のコパカバーナ駅で乗り換えたが、電車復活と知り、乗らずにはいられなかったという一人で、「きれい! だって路面電車だもの。サンタテレーザとラッパの光景がずっと楽しめるわ!」と歓声を上げた。
サンタテレーザの路面電車は1896年に操業を開始した、由緒ある電車だ。現在は運行が再開されていないが、ラルゴ・ド・ギマランエスからは、シウヴェルトレとラルゴ・ダス・ネーヴェスに行く路線も復活する予定だ。(28日付オ・ジア紙サイト、28日付フォトス・プブリカスなどより)