【ブラジル人の底力の源】
Bom dia, mãe! 眠そうに新聞をかかえ、お母さんおはよう〜と頬にキスを交わし、ブラジルの朝はフェイジョンを煮る圧力鍋の蒸気の音、ラジオのニュースと音楽、コーヒーの香り、あたためられた牛乳、焼きたてのパン、新鮮にキラキラ輝くハム、ミナスのプルっとした真白なチーズ、搾りたてのオレンジジュース、一人一人家の中心のタイル張りのキッチンに集まりこうして1日が始まる。
そう、フェイジョンは毎日の食事に欠かせない主食の一部になっています。幼少の頃からそれは我が家でも食べていて私が日本に帰ってからはフェイジョンが食べられると本当に懐かしく嬉しかったものでした。
日本では豆は甘く煮て食べますがブラジルではそうではないので、日本人には初めは驚かれます。そして日本で甘いお豆を食べる事は、反対にブラジル人に驚かれます。同じ食材でも文化の違いで食べ方がこのように変わるのですね。
人間にとって食べ物は欠かせなく、それはとても大切だと思います。
この度、ニッケイ新聞さんで連載を書くこととなり、皆様に是非ブラジルの食事に注目をして、ブラジルで暮らされている方には、身近に現地でしか頂けない食材を楽しんで頂きたいと願い、そうではない方にも色々な食材で代用して頂き、食事のバリエーションを楽しんで頂ければと思っております。
フェイジョン・シンプレスは、どんな付け合わせにも合うように、味はとてもシンプルです。特に揚げ物によく合います。母の友人は必ずアジフライを一緒にいただくと言っています。私は人参サラダと、我が家にあるお新香を添えたり、昆布をふりかけたり、冷やっこを添えて頂いたりします。
豆は、タンパク質でとても体にいいと聞いています。また、全てのおおもとで、そこから様々な食材が生まれます。ブラジルに住んでいた頃に、父は玄米食に凝っていました。食養研究家:桜沢如一氏のご夫人の桜沢里真さんが近い親族だったという事もあり、私は父に、アゴが痛くなるほどよく噛んで食べさせられていました。そんな時にもフェイジョンはよく合いました。
フェイジョンを食べる習慣は南米の国々、キューバ、メキシコ、などでもとてもポピュラーですね。ブラジル人には底力があると言われます。それは混血が多い事もあると思いますが私はフェイジョンの力だと思っています。
月曜日から日曜日まで、毎日食べるのですから、どれだけ健康になれることでしょう。
フェイジョンとご飯、サラダにお肉かお魚、そしてデザートにフルーツ…。
さあ、圧力鍋に火を掛けて、feijão com arroz, feijão com arroz, feijão com arroz, feijão com arroz, feijão com arroz,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
フェイジョン・シンプレス (Feijão simples)
フェイジョン・シンプレス 1キロ
玉ねぎ 中 1 スライス
ニンニク 3かけ みじん切り
ベーコン 150グラム
ローリエ 4枚
塩 大さじ2杯
胡椒 小さじ1杯
オリーブオイル 大さじ2杯
作り方
- 前の晩にフェイジョンを水につけておく
- フェイジョンからひたひたから7センチ程うえまでたっぷり入れて30分ほど煮る。
- ベーコンを3センチほどの大きさに切って、フェイジョンの中に入れて煮る。
- ローリエとオリーブオイルも入れる。
- アクをとりながら40分ほどさらに煮る。
- フライパンにオリーブオイルをでニンニクを炒めきつね色になったら玉ねぎを入れて炒める。飴色になるまで。
- 更にフェイジョンの中に 6 を入れてコトコト煮る。
- とろみが少し出るように柔らかくなったお豆を少し冷ましながら煮る。
- 塩と胡椒を入れて出来上がり。
[su_heading size=”16″ margin=”10″]小野リサ | Lisa Ono[/su_heading]
ブラジル・サンパウロ生まれ。
10歳までの幼少時代をブラジルで過ごし、15歳からギターを弾きながら歌い始める。
1989年CDデビュー。ナチュラルな歌声、リズミカルなギター、チャーミングな笑顔で瞬く間にボサノヴァを日本中に広める。
アントニオ・カルロス・ジョビンや、ジャズ・サンバの巨匠、ジョアン・ドナードら著名なアーティストとの共演や、ニューヨーク・ブラジル・アジアなどでの海外公演も行っている。
1999年に発表したALBUM『DREAM/ドリーム』が、20万枚を超えるHitを記録。
以降、日本におけるボサノヴァの第一人者として、その地位を不動のものとしている。