日本移民で唯一「国家の危険人物」として禁書にされた岸本の写真が、今も高々と掲げられている公的な場所がある。サンパウロ市の新潟県人会館入り口だ。岸本は1969年2月から71年1月まで第3代会長を務めた。創立会員の原沢和夫さん(88、新潟県、元援協会長)に岸本の印象を尋ねると「温厚な方です」と即答し、「でも苦労されたようですね」と ...
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「カードが出てこない!」=現金引出し機詐欺に注意を
「カードが出てこない!」。9月末の日曜昼、東洋街のサンタンデル銀行ガルボン支店の現金引出し機(ATM)コーナーで、戦後移民のAさん(70代女性)は焦った拍子に、あやうく詐欺にひっかかりそうになった。「高齢者を狙っている感じだった。皆さん、銀行職員がいない時間帯にはATMを使わないよう心がけて」と呼びかけた。 カードが出ずに困っ ...
続きを読む »絵画や彫刻作品が300点=文協美術展、11日から
ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)主催の『第9回文協総合美術展』が11~18日に文協ビル(Rua Sao Joaquim, 381)で開かれる。入場無料。 画家の若林和男さん、造形作家の豊田豊さんら約150人による絵画や陶芸、彫刻、版画、写真など300点以上が展示販売される。開館時間は平日正午~午後5時、土日祝日は午前1 ...
続きを読む »■訃報■小倉祐子さん
ブラジル筝曲宮城道雄の会で名誉会長だった小倉祐子さんが5日、心不全のためサンパウロ市のメトロポリターナ病院で逝去した。先月25日から入院治療中だった。享年85。 1930年、サンパウロ市に生まれ、幼少より母親に筝や三弦の指導を受ける。52~56年の訪日時には宮城道雄師の指導を受け、同師直門として免状を授与される。 帰国時には、 ...
続きを読む »大耳小耳
富山県南米訪問団にJETプログラムで県庁に国際交流員として勤務するジョアン・ガブリエルさん(26)の姿があった。流暢な日本語を使いこなし、懇談やスピーチの際の通訳に大活躍だった。県内の小学校への国際理解に関する授業のほか、一般に向けたポ語講座も開講している。実は富山県のUSP奨学金制度のOB。彼自身も既に3年以上勤務を続けるが ...
続きを読む »■ひとマチ点描■藤坂流日本舞踊の伝道師=パラナの江淵カルロスさん
「私の足腰が立たなくなっても、若い世代がこの文化を広めてくれることを願っています」。そう言うのは、日本舞踊を教える江淵カルロスさん(66、二世)だ。 1949年、サンパウロ州ツッパンのコーヒー農家に生まれた。子供時代を振り返り「日本語教育を受けさせてくれたことに感謝している」。貧しい家庭にも関わらず日本語教室に通い、輸入品であ ...
続きを読む »『百年の水流』開発前線編 第一部=北パラナの白い雲=(47)
五章 アサイ三本の金塊 その昔、北パラナに「トゥレス・バーラス」という名の、かなり広い私有地があった。といっても、1930年代の初めまでは、ここも、やはり原始林であったが……。 2015年現在、その大半が「ムニシピオ・アサイ」となっている。アサイ市と訳されるが、人口は一万数千というから、日本語の感覚では、町に近い。丘の上に市街 ...
続きを読む »文協にグランドピアノ寄贈=女性会長の誕生も祝い茶会
文協音楽委員会(本田ジュリア委員長)が主催し22日午後、慈善茶会が行われた。文協に寄贈されたグランドピアノをお披露目することと、初の女性会長となる呉屋春美さんを祝福する目的で開催された。 ピアノはブラジル生け花協会の田中エミリア会長が所有していたもので、文協音楽委員会に寄付された。貴賓室に設置される。 ブラジル人ピアニストのオ ...
続きを読む »アーリョ・ショウナン裏話=炉辺談話=荒木桃里=(5)
それがカロッサに積む時、毎朝乳缶の蓋をとってみると、どの缶も必ずといってよいほど乳が盗まれている。乳はひと晩置くうちに。上面に黄色い膜を張るものである。その乳の固まりを集めて煮つめると手製のマンテーガができる。それが盗まれるのだ。どうせその分は出荷しないものの、乳も二、三リットルは減っているようだ。毎日ともなれば、小さなコソド ...
続きを読む »客商売は信用が命
「まってたよ」。修理が終わった携帯電話を受け取りに行くと、店員はそう調子良く応えた。最後の仕上げだろうか、頼んでもいない保護シールが画面に貼ってあった。支払いの段になり、最初の見積もりより20レアル多く請求された。さっきのシール代だと言う。 ムカッときて「追加料金の事など何も言わずに勝手にやったんじゃないか。払わないよ」と言お ...
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