松井太郎著の小説「宿世(すくせ)の縁」は、『日系文学』に掲載された作品で、亡妻を想う気持ちが行間からにじみ出る自伝的な小説。 松井さんは1936年に19歳で家族とともに渡伯し、農業に従事したあと、還暦・隠居を機に執筆を開始したコロニア作家。04年には代表作「うつろ舟」も本紙に連載した。 90歳をこえた後も創作活動を続け、日本の ...
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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(1)
もう一つの連れはどうしたきりぎりす一茶 妻の千恵に先立たれた太一は、命あるものが避けることのできない生死の離別は、世の中の常と理解していても、この度の事はなかなか心底から納得することができず、―女房はおれより五歳も下だから、あれが残るだろう―と、楽天的な気持ちと安楽な日々になれて、当分はこの現状がつづくものと安心していたのが ...
続きを読む »樹海
広島の原爆ドームは、戦争の悲惨さを伝える平和の象徴として、世界中に知られている。日本三景の一つ、厳島神社も有名だが、広島といえばやはり市内にそびえたつあの威容が誰のイメージにも真っ先に来る。しかし戦後まもなくは、市民感情的にも取り壊しを求める声も多かったようだ。当然のことだろう▼「あの痛々しい産業奨励館だけが、いつまでも、おそ ...
続きを読む »刑法引き下げ法案に若者がデモ=「下院議長、やめろ」の声も
刑法の対象年齢を18歳から16歳に引き下げる憲法改正法案を強引に承認した下院に対し、7日、サンパウロとリオ、ブラジリア、ポルト・アレグレで若者たちによるデモが行われた。 若者たちの怒りは、下院での承認の仕方にも向けられている。6月30日、下院で同憲法改正案が出され、1日未明に投票が行われたが、その際は憲法改正の基準である「議員 ...
続きを読む »刑務所収監者が大学生に=当局が週1度の外出を許可
パラー州マラバーの刑務所収監者が、パラナ州北部大学(Unopar)の公共経営技術者養成コース(通信教育)に合格し、週1度、授業に参加する許可も得た。 13年の実刑判決を受けて服役中のヴェンデル・リマさん(31)は、刑務所で高校課程を終え、国家中等教育試験(Enem)を受けた。 ヴェンデルさんは昼間の外出が許されない身だが、2度 ...
続きを読む »上海ショック世界に波及=ブラジルへの影響避けられず=渦中の首脳ロシアに集結=7回目のBRICS会議開催
7、8日の中国株式市場は売り注文が殺到し、激しい株価下落が起きて取引停止の銘柄が続出した。世界の株式市場は今、ギリシャの動向への不透明感と、中国経済への不安で揺れていると8日付伯字紙や各紙サイトが報じた。 8日付エスタード紙は、中国株式市場で先月から起きている動きは中国の景気減速の反映とのアナリスト達の見解と共に、実体以上に上 ...
続きを読む »7―1=屈辱の敗戦から1年=いまだに尾を引くファン多く=セレソン復活の打開策は?
8日、昨年のサッカーW杯準決勝の対ドイツ戦でブラジル代表(セレソン)が7―1の屈辱の敗戦を味わってから1年が経過した。それにちなみ、8日付伯字紙はいずれも、大きく紙面を割いて特集を組んでいる。 「ヴェシャーメ(屈辱)」と呼ばれた7―1の歴史的大敗は、1950年のW杯ブラジル杯での「マラカナンの悲劇」を上回るブラジルサッカー界の ...
続きを読む »CPI―PB=国庫庁元長官らが供述=対面証言2組は当面中止に
ペトロブラス(PB)関連の汚職に関する下院の議会調査委員会(CPI)が7日、国庫庁元長官のジョルジュ・アジェ氏や金融活動管理審議会(Coaf)のアントニオ・グルターヴォ・ロドリゲス議長からラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関する供述を受けたと8日付伯字紙が報じた。 アジェ長官は、同庁は昨年10月以降、PB元理事のレナト・ドゥッケ( ...
続きを読む »護憲革命記念日でサンパウロ州祝日=公共・医療施設の開閉に注意
本日7月9日は護憲革命記念日にあたり、サンパウロ州は祝日となる。祝日が木曜日と重なったため、公共施設、医療施設などで金曜日が休みになるところがあり注意が必要。 市営市場は原則、通常通りの営業だが、ラッパとサントアマーロ、サンミゲルは9日は休業。 市立病院や救急外来、AMAトラディショナル、AMA24時間は、9~12日も通常通り ...
続きを読む »亜国の拷問者ブラジルで逮捕=交通違反の罰金で身元割れる
南大河州の連邦警察は6日、アルゼンチン(以下、亜国)の軍部独裁政権時代(1976―83)に拷問などを行ったとして指名手配されていたが、ブラジルで10年以上に身を隠していたロベルト・オスカル・ゴンザレス容疑者(64)を逮捕したと8日付エスタード紙が報じた。 同容疑者は、数百人の亜国人に対して誘拐、不法監禁、拷問、脅迫、ジェノサイ ...
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